何故、「里山の林業体験学習」なのか?

 北広島は、縄文時代から「里山」的な景観を有した地域であり、起伏に富んだ地形と、針葉樹、広葉樹の混交林、そこに住む様々な動植物の共生の中で、豊かな自然とその恩恵に預かってきた地域です。
 現在の北広島は、都市化や開発などで、たくさんの「里山」的な景観が失われてはきましたが、それでも地球全体の環境や地域の環境保全を体験的に学ぶことのできるチャンスを、まだ残した地域と言えます。
 緑陽中での「教材開発」の必要性、そして「地球規模で思考し、地域で行動できる生徒の育成」を考えた時、「里山の林業体験学習」は、緑陽中の「インターン・シップ」の核となるものです。





作業のスタートは、クルミとヤチダモの植栽から

 今回、緑陽中学校で活用するフィールドの一つは、校区の中にある竹山高原温泉付近の富ヶ岡の市有地です。ここはかつて、ゴルフ場造成の途中で、別荘地として販売するつもりで樹木や笹を皆抜した場所です。その後、計画が縮小されて放置され、今はまったくの原野です。皆抜後、もう十数年を経過していますが、樹木は生えてきません。ヤナギが一部でてきただけで、背丈の高い草が生えるのみです。
 「いこいの森」の再生を目指して、今回は、この場所の植栽から作業を開始します。今回、植栽するのは、クルミとヤチダモです。混交林には欠かせない樹木であると共に、動物(リスなど)が、森に帰ってくるためにも必要な樹木です。ヤチダモは、家具材などとしても珍重されます。将来、サクラやコブシなども混ざってくると、もっともっと「いこいの森」に変わることでしょう。

      クルミの木                       ヤチダモの木
         

           植栽場所(富ヶ岡)   竹山高原温泉からサンパークに向かう途中の市有林です
     

              衛星写真 植栽する場所が樹木のない場所であることがわかります
             

 普通、皆抜をしても数年もすれば、樹木の種子などが飛んできて、そこから小さな芽が生え、いずれ何年か後には、林が復活するものなのですが、そのためには、いくつかの条件がそろわないと駄目です。
 今回、植栽を行うこの場所は、なぜか年数が経過しても森林が復活していません。ここを、前のような森に戻したり、みんなの「いこいの林」にするには、どうしても人の力が必要です。
 現在、この場所は、セイタカアワダチソウが繁茂する場所になっていて、夏近くなると、人の背丈くらいの高さまで、ぎっしりとセイタカアワダチソウで埋まってしまいます。(そのために、樹木の種子が地面に落ちて発芽しても、太陽を遮られて成長できないのかもしれません。)
 ですから植栽と共に、下刈りの必要性があります。とくに、6、7月には、この作業をしっかり行う必要があり、学校としても2回の下刈りを予定しています。植栽したクルミやヤチダモがしっかりと成長するためには、この期間の養生(保育)が鍵になりそうです。

             植栽場所 林が、この場所だけ、はげ山になっていることがわかります
           

            植栽場所(地上の様子) 皆抜した後、ヤナギくらいしか生えなくなりました
           

            




森には養生(保育)が必要なのです

 樹木を植えて、自然に任せておけば、森は豊かに再生するのでしょうか?実はそうではないのです。一度、人間が介在した森は、人間の養生(保育)がないと、荒れてしまいます。
 次の写真を見てください。草苅健さんという方が、苫小牧で実践された景観形成事業の様子です。
 三つの写真はいずれも林の同じ場所付近で撮影した冬、春、秋の写真です。実は、この森(林)の道路の右側は、まったく自然に任せたままの状態、そして左側は、枝払い、除草、間伐などを行い、太陽がしっかりと地面まで差し込むように養生(保育)した林なのです。秋の紅葉の状態を比較すると、どれほど、養生が大切かがわかりますね?
 こうした養生(保育)した林の自然を「手自然」といいます。富ヶ岡の市有地を、こんな「手自然」の林に育んでいこうという、壮大な計画のスタートが、今年度からはじまる「里山の林業体験学習」なのです。
 

        冬の林
       

        早春の林
       

        秋の林 (間伐を行った左側の林は、光合成も活発で紅葉も見事になりました。)
       

 林(森)の養生(保育)を丁寧に行うと、森林そのものも元気になります。それは、環境全体の循環とも関連していて、たとえば、間伐などを行うことで、昆虫などについても、個体数、種類も豊かになっていきます。
 ここで、この上の写真の森で行われた実験結果を紹介してみたいと思います。養生(保育)を行った森(林)と、自然にまかせたままの森(林)で、同一日・同時刻に、同じ条件で捕獲できる昆虫を比較した実験です。

        白い幕に明かりをあてて、決まった時間内に捕獲される昆虫を調べます
       


  非保育林と保育林の昆虫分布     養生(保育)を行った森(林)では、個体数も種類も豊富になっています       

 森(林)は、正直で誠実です。人が手をかけることで、そのお返しをきちんとしてくれるのです。森が、その恵みを人に返してくれるのも、人が森(林)を優しく大切に育んであげたことのお礼なのです。収奪するだけでは、森(林)は、痩せ細り、悲鳴をあげ、ついには再生力すら失ってしまいます。「手自然」の重要性も、このあたりにあります。





年間スケジュールはこんなふうになっています

 「里山の林業体験学習」初年度の今年は、次のような展開を考えています。

   
里山の林業体験学習(33時間)
季節 月  日 活  動  内  容
5月29日
(月)
オリエンテーション
5月30日
(火)
春の里山林業体験学習(キノコ菌の植えつけ・植栽)
  1 クルミ、ヤチダモの植樹作業(富ヶ岡にて)
  2 ナメコ、ヒラタケ菌のサンドイッチ栽培作業(学校にて)
6月30日
(金)
夏の里山の林業体験学習(植栽した苗木付近の下草刈り)
7月28日
(金)
夏の里山の林業体験学習(植栽した苗木付近の下草刈り)
  1 植栽した苗が、雑草に負けないように養生します
   (7月28日の作業は、地域ボランティアや保護者の方などとも協働)
10月18日
(水)
秋の里山の林業体験学習(枝払い・炭の原木採取・リース材料採取
  1 植栽した樹木が大きく育っている南の里方面の市有林を活用
  2 養生のため間伐した材料を学校に持ち込み、乾燥させます
初冬 11月1、2日
(水・木)
初冬の里山の林業体験学習(炭焼き・リースづくり、かんじきづくり)
  1 間伐した樹木を炭焼き釜で炭にしていきます(学校グランド使用)
  2 炭焼きの合間を利用して、ツタ等を活用してリースやかんじきを作ります
11月6、7日
(月・火)
学習のまとめ(発表物の作成)
11月30日
(木)
発表会(反省)





キノコ栽培にも挑戦

 5月の作業では、ナメコやヒラタケのサンドイッチ栽培にも挑戦します。菌類は、森の植生には欠かせない大切なものであると共に、森を育む人間にも、恩恵をもたらすものです。
 枯れた白樺の樹木を輪切りにしたものに、菌をまぜた種菌床を挟み込みます。ちょうどサイドイッチのような感じなので、キノコのサンドイッチ栽培といいます。どんな環境を保つことが、キノコの成長に必要なのかを体験的に学びます。そして、管理が良ければ、秋には、その恩恵をうけることかできるかもしれません。

   野生のナメコ                   野生のヒラタケ
     





間伐材を利用したかんじきやリースづくりにも挑戦

 11月の作業では、間伐材を活用して、炭焼きを行います。炭が完成するには、まる2日、かかります。その間を利用して、かんじきやリースづくりにも挑戦します。
 これらの製作をしていく間に、少しずつ、炭焼き釜からたちのぼる煙の色が変わっていき、最終的には、木炭が完成します。

   かんじき                              リース
        





連携と協働で実現する「里山の林業体験学習」

 こうした取り組みは、いずれも「協働」の中で実現しているものです。林業の専門家、地域のボランティアの方、北広島市はもとより、石狩支庁、北海道、そして私達の活動を理論的にも支えて指導助言してくださる研究者やインストラクターの皆さんがいて、実現している活動です。
 そして、もちろん、そんな「協働」を実現するために、努力を惜しまない本校の先生方の動きがあってこそのものです。緑陽中だから学べることでもあります。それだからこそ、一つ一つの体験学習に誠実に臨んでほしいと願っています。

 [具体的な連携と協働]

 理論的な指導や助言
  ・ グリーンインストラクターの方や、森林再生事業などで実践をされている方などに指導や
   助言をいただきながら、今後の活動を推進していきます。

 北海道教育庁石狩教育局・北広島市教育委員会
   ・ 平成18年度  文部科学省指定事業 「キャリア教育実践プロジェクト」
    平成18年度  北広島市 こどもインターンシップ活用事業

    文部科学省「キャリア教育実践プロジェクト」、北広島市「こどもインターンシップ」事業との関連での
    指導・助言をいただいています。


 北広島市役所建設部都市整備課緑化担当
  ・ 市有林の提供と他機関との連携という「要」の部分を担当していただいています。

 北海道水産林務部森林計画課
   ・ 「北海道の森林づくりガイドブック」(教本)の提供 をいただきました。

 石狩支庁石狩森づくりセンター
  ・ 林業体験の指導と機材の提供 、指導員の派遣等をお願いしています。

 グリーンインストラクター
 北広島森林ボランティア「メイプル」の皆さん
  ・ 具体的な指導場面での補助などを、森づくりセンターの皆さんと共にお願いすることになります。  

 緑陽中生徒保護者・地域の皆さん
  ・ 2回目以降の作業等で、ご案内を差し上げます。ぜひ生徒とともに林業体験を!








「里山の林業体験学習」関連ページの紹介

 石狩支庁森づくりセンター
   具体的な作業などで直接、ご指導いただきます。「道民の森」のHome Pageにもつながっ
  ています。
   具体的な実践のヒントになることが、たくさん紹介されています。

 北海道の森林づくりガイド
   北海道庁のページの中にあって、皆さんの学習の教科書的存在のパンフレットが掲載さ
  れています。Web上でも見ることができます。




里山の林業体験学習1
 (オリエンテーション)

 5月29日(月) 体育館

  これからの具体的な展開について、校長からは、「森は人と地球を元気にするフィールド」と題して、森づくりセンターの清水野さんからは「豊かな森づくり」と題して、パワーポイントで説明がありました。
 一度、人が介在した後の森の養生の必要性や、動物と植物の共生のバランスのことなどについて、あるは、天然林と人工林について、そして明日行う具体的な作業手順などについても詳しい説明がありました。
 森づくりは、「百年単位の仕事」であるとの清水野さんのお話をききながら、それだからこそ、木を育て、林や森を元気にしていくことの重要性がよく理解できました。
 いよいよ、明日から実働開始です。市内の森林ボランティア・サークル「メイプル」の皆さんも指導補助に参加して下さるそうです。これを機会に、さまざまな人と人、組織と組織のネットワークが広がると、それがさらに森を豊かに育む力にかわっていくように思いました。




里山の林業体験学習2
 (植栽とキノコ菌の植えつけ)

 5月30日(火) 北広島市富ヶ岡市有地・緑陽中校庭

ねらい キノコ栽培や植樹活動を通して森林との関わりを学ぶ
内  容 具  体  的  活  動 活動場所
植樹作業 ・ クイで苗間を計り、植え穴にテープ印をつける
・ クルミ、ヤチダモの苗木計320本の植樹
・ 植えつけ作業を指導員の指示に従いながら実施する
富ヶ岡市有地
キノコ栽培体験 ・ 玉切りを行う
・ 植菌をバケツに入れておく
・ 菌を塗り、サイドイッチ状にしたら、ガムテープではさみ、接合
 部分をガンカッターで、とめる
・ 2、3段に重ね、ムシロもビニールで覆う
緑陽中校庭


 市役所、森づくりセンターの皆さんの他に、北広島市森林ボランティア・サークル「メイプル」の会員の皆さんが9名も指導の補助にあたってくださいました。
 小雨の降る天気で、人間にはちょっと厳しい状況でしたが、苗木やキノコ菌にとっては、これ以上の好条件はないという、最高の環境の中で、植栽とキノコ菌の植えつけ作業を完了することができました。


           富ヶ岡環境緑地保護地区の看板
          

           テープで間隔の印をつけて苗木を等間隔に植えていきます
          

           いよいよ植栽開始
          

           広大な場所の一部に、320本の苗木を植えました
          





「植栽」等に関連した林業用語解説

   (出典:北海道森林管理局森林技術センターのHome Pageから)

地拵(じごしらえ) 
 木を植えるに当たって、植付けの障害となる、笹、雑草、落枝等を刈払ったり取り除く作業です。
 地拵には、植付ける箇所全面に行なう全刈(ぜんがり)地拵。植付ける列だけ行なう筋刈(すじがり)地拵。植付けた木の周辺だけ行なう坪刈(つぼがり)地拵。最近では行なわれなくなりましたが火を入れて障害物を焼き払う火入れ地拵などがあります。

植付け(うえつけ) 
 植える土地にあった種類(郷土樹種)の木を植えます。植える時期は、苗木の生育が始まる前に行なう春植えと、生育が終わる頃おこなう秋植えが一般的です。

根踏み(ねぶみ) 
 
根踏みは、主に秋に植栽をした箇所を対象に次の年の春に必要に応じて行ないます。
 秋植えの植栽木は、まだ十分に根が張らないうちに冬を迎えることから、傾斜地などでは、積雪等によって倒れたり、根が浮き上がることがあり、そのままでは植栽木が枯れる恐れがあることから植栽木を起こしたり、根を踏んで落ち着かせる作業です。

巣植え(すうえ) 
 坪刈りを行ない、1カ所に複数(4〜12本)の苗木を集め、1つの群(巣)として植栽する方法です。
 巣植による主な利点は、植付け・下刈りの省力化や気象害に有効です。

保育(ほいく) 
 木を植えてから伐採するまでの間に、植えた木の生育を助け健全な森林を造成するために行なう作業で、下刈り、つる切り、除伐、間伐などの作業があります。

下刈り(したがり) 
 植えた木の成長をじゃまをする笹や雑草等を刈る作業です。
 この作業は、植えた木が笹や雑草により成長が阻害されなくなるまで、北海道森林管理局では7年間に9回行なうことを基準にしています。
 この仕事は笹や雑草が一番生長する暑い夏に行なうのが一般的で、木を育てる仕事の中でも一番つらい仕事です。

つる切り(つるきり) 
 植栽した木や有用天然木に絡みついての生育を妨げている「つる」を切って取り除く作業で、一般的に除伐と一緒に行います。

除伐(じょばつ)
 植栽した木や有用天然木の生育を妨げている自然に生えてきた木や、育つ見込みのない木を伐ります。




           キノコの菌床を白樺で作ります(メイプルの方の指導をうける生徒)
          

           オガクズにキノコ菌を混ぜたものを丸太の断面に塗り付けます
          

           乾燥を防ぐようにして、菌の成長を待ちます
          

           雑菌にキノコ菌が負けなければ、数箇月後に変化が現れます
          




森林ボランティア・サークル「メイプル」のSさんから

  当日お世話になった「メイプル」の会員の方から、こんなメールをいただきました。

 「先日はお世話になりました。
  孫のような大勢の生徒達と活動できたことは今までとは違った新鮮さを感じました。
  子供たちの中にこの活動がきっかけで、地球環境に興味をもって頂ければ、お手伝
  いの甲斐ありうれしく思います。…次回6月30日も楽しみにしております。」

 「地球規模で思考し、地域で行動できる生徒の育成」という教育課題が、この活
 動の中で一つ一つ、前進していくように感じました。
  そんな思いを共有しながら、メイプルの方と協働できていることが、本当にうれしく
 感じました。ありがとうございました。そして、これからもよろしくお願いいたします。
 






里山の林業体験学習3
 (植栽場所付近の下刈り作業)

 6月30日(金) 北広島市富ヶ岡市有地

ねらい 草刈り鎌の使い方を学び、下刈り作業を通じて苗木の成長を促進する
内  容 具  体  的  活  動 活動場所
草刈り鎌の
使い方学習
・ 前回植栽した苗木計320本の生育状態の確認
・ 手鎌、下刈り鎌の使い方を学ぶ(2グループで)
・ 指導員の示範を見学しながら、使用法を理解する
富ヶ岡市有地
下刈り
作業体験
・ 前回植栽した場所の下刈り作業(手鎌使用)
   坪刈(つぼがり)地拵(じごしらえ)
・ 秋の植栽場所の下刈り作業(下刈り鎌使用)
   全刈(ぜんがり)地拵(じごしらえ)



 久しぶりの晴天に恵まれ(恵まれすぎぐらいでしたが…。)、1箇月前に植栽した苗木の周囲の下草刈り作業を行いました。今回は、植栽場所の他に、この秋に予定されている北広島市市制施行10周年記念植樹祭で、植栽を行う場所付近の下刈りも行いました。
 今年は寒い日が続いていたので、草の丈も例年と比較すれば、6月中旬ころの伸び具合でした。しかし、植栽した苗木は、セイタカアワダチソウの茎に隠れ、ちょっと見ただけでは、どこに植えたのかわからなくなりそうな状態でした。幸い、植樹した際に、幹にピンクのリボンを巻いておいたので、それで判別できました。
 作業は、普通の鎌、そして長い柄のついた鎌で行いました。さすが人数が多いと、あっという間に、かなりの面積の下刈りが完了していきました。暑さで疲れはしましたが、すがすがしい感じでした。
 今回も、森林ボランティア・サークル「メイプル」の皆さん、市役所、森づくりセンターの皆さんとの協働による作業でしたが、学校評議員さんも参加して下さいました下さいました。
 次回は、7月28日午前10時からの下刈り作業を予定しています。この日は、一般の方にも呼びかけ、生徒たちと一緒にボランティアとして、下刈りをしていただく予定です。




        今日の作業計画の指示を聞くB組の生徒
       

        長い柄のついた下刈り鎌の使い方を森づくりセンター職員から聞く生徒たち
       

        下刈り鎌の使い方の模範演技を見る生徒たち
       

        下刈り鎌での「全刈地拵」作業開始(だんだん慣れてきました。)
       

        苗木のある場所は手鎌で苗木を傷つけないように「坪刈地拵」をします
       

        坪刈りが進むと、苗木に巻いたピンクのリボンが見えてきました。
       

        秋の植栽場所も除草です。ラストスパートという感じで頑張っています。
       

        「やれやれ、よく働きました。」「ご苦労さま!」
       






里山の林業体験学習4
 (植栽場所付近のボランティア生徒による下刈り作業)

 7月28日(金) 北広島市富ヶ岡市有地

ねらい 雑草の繁茂しやすい時期の下刈り作業を通じて苗木の成長を促進する
内  容 具  体  的  活  動 活動場所
下刈り
作業体験
・ 前回植栽した場所の下刈り作業(手鎌使用)
   坪刈(つぼがり)地拵(じごしらえ)
・ 植栽場所周辺の下刈り作業(手鎌使用)
   全刈(ぜんがり)地拵(じごしらえ)
富ヶ岡市有地


 7月28日、夏休み中ということで、今回の作業は、ボランティアのみでの作業ということになりました。何人の人が集まってくれるのか心配な面もありましたが、時間になると富ヶ岡には、指導にあたる市役所、森づくりセンター、そしてメイプルのみなさんのほかに、14名の2年生の生徒、3名の保護者、3名の児童委員・民生委員、1名の学校評議員、そして4名の教師が参集しました。
 人数が少ないので、時間がかかるかと思ったのですが、一人一人の意識が高かったこともあり、小一時間で予定していた作業が完了しました。
 今回は、全員の自己紹介からはじまり、作業を行い、最後にみんなでジュースを飲みました。暑い日だっただけに、冷えたジュースは、染み渡りました。
 次回は、南の里で、間伐作業を行います。南の里では、玉熊賢一さんの冬虫夏草の発見場所なども、教えていただけるそうです。今回にもまして、楽しく有意義な一日になりそうです。


       森づくりセンターの原さんから今日の作業についての説明をうける
       

       グリーンインストラクターの玉熊賢一さんの自己紹介 
       

       メイプルのみなさんの指導をうけながら下刈り作業開始!
       

       周囲の草を刈ると、元気なヤチダモの苗木がでてきました!
         (ピンクのテープは間違って刈り取ってしまわないための目印です。)

       

       作業を終えて、みんなでジュースタイム
       



  その後のキノコ菌床は…

    下刈り作業を終えてから、市役所と森づくりセンターの職員の方と一緒に、学校に戻り、
   5月に作ったキノコのサンドイッチ栽培の菌床の点検を行いました。
    菌類は高温に弱く、しかも青カビなどがたくさん生えてくると、キノコ菌は負けて、菌床は
   ただの腐れた切り株になってしまいます。
    おそるおそる乾燥を防ぐビニールとムシロを開いてみました。すると、菌床は、なかなか
   よい状態を保っていました。
    あと1カ月くらい経過したら、サンドイッチにした菌床の部分から切り株を切り離し、地面の
   上に、植えることになります。その後、順調にいけば、秋には、たわわに(?)キノコが生え
   てくる予定です。(秋のキノコ汁パーティーが、楽しみですね。)

        ムシロとビニールをはがして、菌を植えた白樺の切り株の状態を点検
       

       切り株にはきれいな白カビが生えていました(たいへんよい状態です。)
       








キノコ菌を植えつけた切り株の植え込み作業

 9月12日、春にキノコ菌を植えつけ、サンドイッチ状に菌床を挟み込んだ白樺の切り株を分離し、土に埋めもどす作業を行いました。一部、白カビのようなものの他に、青カビが生えているものもありましたが、おおむね、菌床の健康状態は良好でした。これから雪が降る頃にかけて、ナメコ等が生えてくるはずです。秋にみんなで食べる予定のキノコ汁が今から楽しみです。

      放課後にボランティアの有志で作業開始
      

      現段階では、よく観察しても、どれがナメコでどれがヒラタケかはまだわかりません
      






里山林業体験学習 4
 −枝打ちと間伐作業−


 2年生は、10月18日(水)に、里山林業体験学習の「枝打ち」と「間伐」作業を行いました。今回は今までと異なり、少し深い山に入り、作業を行いました。
 午前中は、後楽園スキー場のもっと奥、仁別にある市有林に行き、カラマツ林の枝打ち作業を行いました。カラマツは、かつて炭鉱の坑道の補強材や電柱などに使われた耐水性の強い、木材資源として、全道各地に植えられました。ところが、エネルギー革命が起き、価格も低迷してきたことから、私有林などのカラマツ林は、ほとんど放置されたままになっています。最近になって、採算だけでなく、山の再生や環境保全のためにも、再生可能な資源としての木材が見直されてきていますが、大半の山は、手つかずの状態です。
 枝打ち作業は、首もくたびれますが、枝払いを終えた後の、木々の様子を見ると、床屋さんに行った後の後頭部(?)のような感じで、森も清々しい雰囲気になりました。


       
仁別の枝打ち現場に到着です
      

       
ヘルメット姿も凛々しく、今日の作業手順指示を受けます
      

       
ノコギリを持って、いよいよそれぞれの作業班の現場に
      

       
枝打ちのコツを聞きます
      

       
まず低い位置の枝打ちです
      

       
次に高い位置の枝打ちです
      

       
枝打ちが終わると、木々は刈り上げた後頭部のようにすっきりとなりました
      

      
 「 おーい、コクワのツルが見つかったぞ!」
      

       
霜がおりて完熟したコクワは、甘い匂いで、食べても絶品でした
      

       
枝打ちした枝を一カ所に回収します
      

       
自動枝打ち機の実演を見学(樹木が曲がっているとうまく動きません)
      

       
山仕事を終えて、昼食です。空気もおにぎりも美味しい!
      





 午後からは、場所を南の里に変えて、炭焼きの原木採取を行いました。この場所は、高圧線の下にあたるため、樹木の高さも制限されています。そんな中で、炭の材料になりそうな樹木を伐採(間伐)し、120センチくらいの長さに切り揃えて、トラックに積み込みました。



       
赤いリボンのついた樹木を切り取ります
      

       
倒れる方向をきちんと考えてノコギリをいれます
      

       
物差しがわりの竹を使い、120センチに切り揃えます
      

       
伐採した炭の原木をトラックまで運びます
      

       
トラックの荷台に、だんだん炭の原木が増えてきました
      

       
トラックの荷台がだんだん重くなってきました
      

       
一日の作業を終えて、学校に帰着
      

       
炭の原木は、しばらく乾燥させます
      

 今回も、森林ボランティアサークル「メイプル」の皆さん、そして石狩森づくりセンターの皆さん、市役所の皆さんに、絶大なるご理解とご協力、ご指導をいただきました。ありがとうございました。
 今年の里山林業体験学習も、いよいよ佳境となってきました。あとは、11月1、2日が天候に恵まれ、炭焼きと、リースづくり、看板づくり、かんじきづくりなどがスムーズに行われるといいですね。









校庭に不思議なものが搬入されました!

       

 
10月25日から、かつてソフトボール部が活動していたサブグランド付近に、上記のような不思議なものが置かれています。ちょっとみると、冷戦後、廃棄されたロシアの原子力潜水艦あたりの部品のような形をしています。ソユーズ宇宙船の地球帰還用のカプセルのようにも見えます。実は、これ、石狩森づくりセンターから搬入された、炭化炉というもので、移動式の木炭製造釜(炉)なのです。
 11月1〜2日に、本校グランドにて、炭化炉による炭焼き(木炭製造)を行います。10月18日に伐採した原木を中心にして燃料炭(薪炭)を、また、いろいろの素材を活用して花炭を作ります。炭化炉を活用しても、原木が木炭になるまでには、まるまる24時間以上の時間が必要です。
 国分君が登場する「DASH村」などの番組を見たことのある人は御存知かと思いますが、時間の経過と共に、煙の色が変化し、木酢液のにおいなどがただようになると、そろそろ、木炭の完成となります。
 森林を元気にするために、間伐した木材を活用し、それを再資源化する山仕事(作業)が炭焼きです。これは、冬の山仕事の代表的なものの一つでもあります。
 本当は、じっくりと、釜の前で、煙の色の変化を見ながら、ずっと付き添っているのが、正しい炭焼きの仕事なのですが、当日は、内職もすることになっています。富ヶ岡の植林場所に掲示する予定の「元気の森」の看板づくり、開校30周年を記念する学校掲示用のリースづくり、そして、間伐、枝打ち作業の折りに、樹木にまつわりついていたツタを活用して作るかんじきづくり、2年生それぞれが、これらの作業にあたります。


         
18日に間伐した炭の原材料となる原木(天日乾燥もまもなく2週間経過に)
         

          
ツタを使ってつくる「かんじき」の完成見本
           








里山の林業体験学習
 「炭焼き」「リース」「かんじき」「看板」づくり


 11月1日、寒さは少し厳しい日でしたが、心がけが良かったのか、晴天の中で、今年度最後の林業体験学習を実施することができました。今回は、炭焼きと、リースづくり、かんじきづくり、看板づくりに挑戦するということで、密度の濃い内容でした。炭の方は、夜の9時ころに、空気を遮断して、翌日の朝に、窯を分解し、中から炭を取り出します。
 今回は、4トンのトラックで、4台分くらいの原木を運んできましたが、うまくできたとして、一つの窯で、30キロくらいの木炭になるはずです。

       
今日の作業指示を聞きます
       

     
原木を運び、炭づくりの準備です
     

     
120センチの原木を半分に切り取ります  
     


[木炭づくり]

     
土を堀り、窯を組み立てます
     

     
ロストルの部分から組み上げていきます
     

     
隙間ができないように、原木を組み込みます
     

     
点火です。予想外で上から点火します。 
     

     
窯のつなぎ目をふさぐ粘土を練っています
     

     
窯の周囲を砂で包み込み、円筒を立てます
     

     
まもなく円筒の付け根から木酢液がでてきます
     

     
純粋な木酢液です。いろいろの用途があります。
     

     
煙の色が白くなってきました。
         

     円筒から、白い煙がでてきました(まだ水分が多い証拠です。)
     

     
煙の様子を部活帰りに見ていく生徒たち 
     

     
右側の煙突の様子と左側では、まだ状況が異なります 
     

     
手前のような状況になれば、空気を遮断するタイミングです
     

     
煙突を取り払い、窯の中を酸欠状態にします
     

     
酸欠状態にして、ほぼ半日経過させます
     


[花炭づくり]

       花炭の材料を空き缶に入れます
        

       花炭の材料の周囲には、もみ殻を詰めます
        

       空き缶は針金で縛り、たき火の中に入れます

     
     
     
だんだん缶の色が変色してきました
     

     
たき火が終わると、缶を冷やします 
     

     
[かんじきづくり]

     
ツタの表面の皮をノコギリの歯でない側でそぎ落とします
     

     
U字型に曲げたツタ二つをドリルの穴でつなぎます 
     

     
かんじきに巻くロープの長さを計ります
     

     
ロープで足をのせる部分を作ります
     


[リースづくり]

     
ホットメルトで、飾り材料をツタに取り付けます
     


[看板づくり]
     
富ヶ岡の植栽地にかかげる看板を作っています
     


[学校帰りに、炭焼きの煙の色を確認]

     
煙の確認に来た生徒に振る舞われたカボチャの直火焼き
     




[11月2日]


      いよいよ窯開けです。(木酢液を見せる森づくりセンターの原さん)
      

      さて、うまく炭になっているのかな?
      

      窯の上ふたをあけます。(ドキドキします)
      

      花炭の入った箱がでてきました
      

      炭をビニール袋に詰め、重さを計ります
      

      

      野焼きの方法で作った方の花炭は…
      

      うまくできたものは、ホウズキやドングリ、栗のイガもそのままに…
      






「花炭」ART

 11月1〜2日の炭焼きの中でできた「花炭」です。松ぼっくり、みかん、栗のイガなどが、原型のまま、炭になって、黒々と光っています。ARTを感じさせられます。


      

      





ついにナメコが…

   11月12日から雪が降り、13日も朝は氷点下の気温となりました。その影響もあったのでしょう。雪が積もる頃に成長するナメコが、14日早朝、ついにでてきました。5月30日に白樺の丸太に菌床を形成し、9月12日に、土に埋めてから、約6カ月が経過したわけです。まだまだ小さいのですが、ぬめりも一人前です。みんなでナメコ汁を味わうことができるかもしれません。
 一方、ヒラタケの方は、10月ころに少しでてきたのですが、ナメクジとの戦いに破れて、今年は、思うような収穫がありませんでした。来年は、なんとかなることでしょう。


      
白樺の切り株の菌床からでてきたナメコ
     

      
10月に一度、でてきたヒラタケ(その後、ナメクジに負けて消滅)
     









「里山林業体験学習」発表会

 11月30日午後、本年度から取り組みを開始した「里山の林業体験学習」の発表会が開催されました。1年間の歩みを報告する中で、次年度以降の学習につなげる意味と、「地球規模で思考し、地域で活動ずる生徒の育成」を「自立と共生の人づくり」教育で実現しようとする本校の教育の方向性を共に確認する場という位置づけで、全校生徒が参加しました。
 当日は、いつも活動でお世話になっている森林ボランティアグループ「メイプル」の皆さん、市役所建設部都市整備課の皆様、そして石狩森づくりセンター職員の皆様の他に、教育委員会、学校評議員、近隣学校の教職員の方、そして本校の保護者も参加して下さり、かなりの規模の発表会となりました。
 今回は、1年間の里山林業体験学習を振り返り、8つのグループからの発表がありました。植樹、下草刈り、枝打ち、間伐、炭焼き・炭入れ、リース・かんじき・看板づくり、きのこ栽培と、それぞれが、A組、B組の混成チームで取り組んだ発表は、どれもなかなかのものでした。

           実演とパワーポイントの併用による発表の様子から
    

 2年生生徒は、「直接、体験していない他学年の生徒に、どのように工夫したら、自分たちの体験をわかりやすく、興味深く伝えることができるのか?」を、真剣に討論しながら、この発表の日を迎えました。
 発表の方法も、実物投影機、パワーポイント、実演などを交えながら、自己満足でなく、他に伝える工夫を随所に示してくれるもので、会場内も、大変集中力の高い中で、2時間の発表が進んでいきました。
 この取り組みにご協力を願ってきた皆様方に対して、もっとも素敵な恩返しができたと感じました。それは、活動の中で、多くのことを学びとって、成長した生徒の姿をお見せするができたからなのです。
 「子供らしい工夫があって、楽しかった。」「来年もまた、お手伝いできたら…」等々、うれしい感想を述べて下さいました。

        
        
        
        
        
        
        
        

 最後に校長からは、本校の取り組みと共に、倉本聰さんが富良野で取り組んでいるゴルフ場跡地の森林再生事業のことなどについて、話がありました。


      
富良野自然塾にあるネイティブ・アメリカンの言葉を記した石碑
      

 富良野自然塾には、「地球は子孫から借りているもの」という石碑があります。これはネイティブ・アメリカンの言葉なのですが、今一番、私たちが考えなければならないことを示しているように思います。
 今回の実践を通して痛感したこと、それは、失われて見つからないと思っていた緑や林の入り口は、実はとても身近なところにあったということなのです。

           
富ヶ岡の植採地に掲げられた看板
           

 









「里山林業体験学習」を終えた生徒の感想から


1.「里山林業体験学習」で、一番印象に残ったこと

・炭焼きで自分達が切った木や拾った松ぼっくり、持ってきた果物などが炭になって驚きました。それと、はじめてヘルメットをかぶって作業をして、林業の大変さと大切さが身にしみました。

・僕が「里山林業体験学習」で学んだことは、自然の大切さと人の素晴らしさです。僕はこの学習に取り組む前までは、自然のことにまったく無関心だったけど、この学習を行ってからは、今までとはまったく違った態度で仕事に取り組むようになりました。これからも自然のことに関心を持ちながら、一日一日を大切に過ごしていきたいと思います。

・炭焼きの時、釜の中が夜、ガンガン熱くなっているのを見た時と、煙突から炎が吹き出していた時が一番印象に残った。でも、その他のことが心に残らなかったということは決してありません。あの暑い中で行った下草刈り、枝の一部が頭にあたってしまったり、変な実を食べてしまった枝打ち、間伐、どれもこれも、忘れられないことばかりです。

・一番印象に残ったのは、植樹作業で、生まれてはじめて木を植えて結構楽しかったし、いい経験になりました。でも、もう一つあって、それは班などに分かれて行った作業で、看板を作ったことです。すごく苦労したけど、その分、いい看板が出来上がって良かったです。最初は時間が短くなっちゃって、間に合わないと思ったけど、間に合って良かったです。


2.「里山林業体験学習」で学んだこと、気付いたこと、感想

・私は、人のやさしさ、森の大切さ、将来への希望、たくさんのことを学ぶことができました。まったく興味がなかった自然の大切さに、じかに触れて体験したことが、これからに生かしていけると思います。個人的に、木を見るのも森の空気を吸うことも大好きなことなので、体験できたことが本当にうれしいです。森づくりセンターの人々やメイプルさんなど、色々な人の助けをもらうことができる体験なんだと、改めて考えさせられました。これからも少しでも自然のことを考えて、将来の人たちの希望になれるように頑張っていきたいと思っています。

・マクドナルドや美容院などの職業体験も必要だけど、それらの仕事をするにはやっぱり自然という力が必要なんだと思った。お店を建てるのも、机や椅子を作るのも木が必要。でもその重要な材料がなければ、どんなに意欲があっても、素晴らしい技術を持っていても意味がないと思った。様々な職業を皆がバラバラにやるよりも、こうやって自然と触れ合うことができ、皆とたくさん交流できる方がいいと思った。きっと個人で林業を体験することもできると思うが、こうやって皆で自然と触れ合うなんて、もうできないと思った。だから本当にいい体験になった。

・「今年は林業体験をします」と言われた時は、ものすごくやる気がなかったけど、植樹などをしていくうちに、『どうせやるなら楽しくやろう』という思考に変わり、そして一日かけて山に行った時からは、『また、やりたい!』と思うようになった。『間伐はなぜやるのか』という疑問も解決した。この他にも学んだことはいっぱいあります。本当にやって良かったです。

・森づくりセンターの人、メイプルの方々、北広島市役所の方々、色々とお世話になりました。そしてありがとうございました。こういう経験は家ではできません。だから中学生の中ですることができて、とても良かったと思います。炭づくりが一番楽しかったです。とても印象に残りました。植樹の方はまだまだです。やり残したこと(まだ植え終えていない場所)がたくさんあります。何十年かたったら、見に行きたいと思っています。来年は今の1年生が体験学習をやります。そのときはよろしくお願いします。


3.「里山林業体験学習」でお世話になった方々への思い

・今回、私たちが行った里山林業体験は、私たちの力だけでは絶対にできませんでした。たくさんの人たちの協力により、この活動ができました。本当にありがとうございました。

・里山林業体験学習は、はじめ『面倒』とか『やりたくない』と思いましたが、やってみるとすごく楽しくて、ずっとやってて飽きませんでした。学校に着いてからも、まだやりたいとか、もう一回やりたいと思い、すごく楽しかったです。枝打ちの時に外で食べたお弁当が最高でした。本当に色々ありがとうございました。

・今思えば、里山林業体験学習も、あっという間に終わってしまったなと思います。本当にやる前は、面倒くさいとか、やりたくないとか思っていたけど、時間が短く感じられたのもやっぱり楽しかったからだと思います。もう一度やりたいくらい、とてもいい経験になりました。森づくりセンターの方々、メイプルの方々、北広島市役所の方々、本当にありがとうございました。

・本当にお世話になりました。私たちにたくさんのことを教えてくれて、ありがとうございました。植樹からはじまり、発表会まで、皆さんには本当にお世話になり、感謝の気持ちでいっぱいです。これで林業体験が終わってしまうのは、とても寂しいです。将来は人の役に立つ仕事がしたいです。自然と林業とは関係ないかもしれないけど、みなさんのような仕事がしたいです。そして、老後はメイプルの人になりたいと思います。

・この度は、私たちのために、たくさんの用意などをしてくださり、誠にありがとうございました。おかげで普通の中学生では体験できないようなことが体験でき、自分たちのためになったと思います。皆さんがいなかったら、一つ一つの作業もわからず、きっと楽しめなかったのではないかと思います。ぜひ来年も緑陽中で、里山林業体験学習を行ってほしいなぁと思います。本当にありがとうございました。













森は人と地球を元気にするフィールド

 音楽家ベートーベンは、20代の後半から、耳の不調を感じ始めます。そして、32歳の頃、ほとんど聞こえない状態であること、しかもそれが回復する見込のないことを知ります。
 そんな中で、生きる望みを失いかけたベートーベンは、ウィーン郊外のハイリゲンシュタットで、遺書を書きます。(左側の写真がその遺書です。)
 「今日、死のうか?」「明日、死のうか?」と迷いつつ、ハイリゲンシュタットの森を散策するベートーベン…。彼は何時間も、そして何日もハイリゲンシュタットの森を歩きました。そんな中で、自然の偉大さと、自分の人間としてのちっぽけさに気付くのです。
 自分がどんなに悩んでいようと関係なく、森には春が訪れ、新芽が芽吹き、秋には素晴らしい紅葉が心を癒してくれます。「よし、開き直って生きてみよう!耳の聞こえない音楽家がいたっていいじゃないか!」、そんな思いで、ベートーベンは生き続けることを決意します。彼の音楽が、本当に素晴らしい輝きを持つようになっていったのは、その後のことでした。
 人類が地球に生まれてから、数百万年が経過しています。しかし、その人類の歴史の99%は、森の中での生活だったのです。本来、人間は、森に安定を見つける、そんな指令をDNAに内包しているのかもしれません。「森林セラピー」という言葉があるように、森は、人と地球を元気にするフィールドでもあるのです。

        ベートーベン交響曲第6番「田園」  (midiファイル)
             第1楽章      Allegro ma non troppo
                  「田園に到着したときの朗らかな感情の目覚め」
             第2楽章      Andante molto mosso
                 「小川のほとりの情景」
             第3・4・5楽章  Allegro Allegro Allegretto
                 「農民の楽しい集い」:「雷雨、雨」:「牧人の歌、嵐のあとの喜ばしい感謝の感情」


ベートーベンが散策したハイリゲンシュタットの森(雪解けの後の早春の様子)    散策するベートーベン
  



 生きる勇気と希望を取り戻した後も、ベートーベンは時間を見つけては、森(林)を散策したそうです。特に耳が聞こえなくなってからは、なおさらでした。耳が聞こえないことで、人間同士の『対話』に制約が生まれたことも関係してか、散歩を通して、自然との『対話』を続けていったのでしょう。
 音が聞き取れなくとも、彼の心の耳には、小鳥の声や、木の葉のざわめきや、水のせせらぎの音などが聞こえていたのでしょう。ベートーベンの心の中には、豊かな、美しい音楽があふれていたのです。
 森(林)が、自然が、ベートーベンを救ったのです。まさに、「森は人と地球を元気にするフィールド」なのです。




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