10.学校(授業・講習など)、家庭教師、個別指導、塾・予備校、通信添削などをどう活用するか
 学習環境はさまざまな要因で成り立っている。しかし、その中で最も大きいのが学校である。特に授業のあり方や、講習など、その力を高められるかどうかは、その学校の進学に対しての価値観や指導の方向性なども絡んでくる。
 学校の考え方がもっとも現れるのが、授業時数の問題である。これは、数学の授業が何単位(1週間あたりの授業時数)であるかに顕著に現れる。当然、単位数が少なければ、その学校では、その科目に対して手厚い指導をするつもりがないということになる。文系の指導に力を入れている学校では、数学の単位数が少なくなる傾向がある。そうなれば、その授業内で頑張っていても、対全国で考えたときには、力がついていないことになるのかもしれない。進学講習などの講習で、授業で触れられないけれども、受験では大切であるという内容を授業で行う学校もある。さらにワンランク高めようという意図を持って、入試問題を解いていくなど、この講習の内容はさまざまである。
 また、学校によっては、「一本釣り」的な指導をしている学校もある。特定の生徒を学校をあげて指導していき、進学実績を上げていこうという機運がある学校では、模擬試験や実力試験で可能性を持っていると見込んだ生徒を徹底的に鍛え上げるというスタイルを組織的に行っている場合がある。進学校を作ろうと考えている学校にとって、まず第一段階として行われるのがこのスタイルで、このノウハウが固まってくれば、少しずつ実績が上がってくるという意味では、学校にとっても非常に重要な取り組みである。このような指導スタイルがある程度確立してきた学校では、ノウハウがあり、その中で活動する受験生は、学校にとっては進学実績を上げられるかどうかという意味でも大切に扱われ、なおかつ、生徒にとっても進学できるということでの利害関係が一致するので、教員に質問しやすい環境が得られる。こういう環境下におかれた場合には、この環境下で学習を継続して進めることを勧めたい。くれぐれも、油断して、この立場から外されないように、留意しておく。
 理想は、この「一本釣り」の生徒に選ばれることである。
 しかし、残念ながら、こういった特定の生徒に選ばれない場合には、自分自身でどうにかしなければならない。ここで一番考えなければならない環境というのは、いかにして、学習者個人のことを把握できているかどうか、それに対して適切な指導ができるかにかかっている。個別に面倒を見てくれるという意味では、家庭教師>個別指導>塾・予備校>通信添削の順になるだろう。もっとも、塾・予備校については、規模にもよるところではあるが。その人の自学自習ができるかどうかとの兼ね合いもあるが、基本的にはこうである。
 ただし、個対個で学ぶ場合には、大きな問題がある。それは、この場合、どうしても多額の金銭が絡むことが多いことと、いい出会いがないと機能しないという欠点があることは否めない。お金をかけなくても、いい先生に当たるかもしれないし、お金をかけてもいい先生に当たらないかもしれない。お金をかけたほうがいい場合が多い可能性が高いのは確かだが、それは残念ながらわからないのが実態である。また、これも大切なことであるが、教えるという行為は、学歴が高ければいいとは限らないということである。相手に勇気を与え、目標の可能性を見せ、勉強をする気にさせられる先生であるのか、相手の状態に的確な指導をできるかというのは、その先生の学歴とは別次元の話であるということは、確認をしておきたい。学歴が高くて情熱のない先生から学んでも、力はつかない。
 あたりはずれが少なくなるという意味で考えれば、家庭教師を個別にお願いするのではなく、ある団体に雇われているようなものの方が良い。ただし、この場合には、その団体にお金を払わなければならないという意味で、家庭教師と直接の契約を結べなくなるが。しかし、逆に、塾・予備校の中にいれば、集団の中にいれば、集団の中の良い競争原理が働いて、学習意欲が増すというメリットもある。一長一短はあるが、しかし、それを差し引いても、個別に指導されるような環境の方がお勧めである。通信添削の場合には、自分のペースで進められるというのが、自分の計画がしっかりとできていて、その計画の中に組み込むような学習が自分でできるような意志の強さを持っている人にお勧めである。ただし、怖いのは、自分の学習方法が間違えている場合の修正が難しいということであろうか。自己分析が的確にできない人にとってはつらい。
 その前に、まず大前提となるのは、こちらが求めているものは何かということを明確にしておく必要がある。どの科目が課題なのか、どこまで実力を向上させることが目標であるのか、である。そこを明確にしておき、次に考えるべきことは、いかに個を大切にできる環境を作るかだと思う。
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