22.受験数学は「速く」「正確に」問題解決する能力を測る科目である
 受験で忘れてはいけないのは、当たり前の真ん中のことではあるが、限られた時間内に問題を解かなければならないという制約があるということがある。特に受験であれば、直前期になればなるほど、時間を意識しなければならない。

 高校生の中では、「とにかく、計算ができるようになればいくら時間がかかっても良い」という考えでのんびりと計算をするという生徒がいるが、その中でもいかにして効率よく計算ができるかということも必要となる。このことを意識しているかどうかということも重要な意味がある。

 このことは、世間一般の効率の良い仕事ぶりということと関連があるように思う。企業は、いかにして短い時間で最大限の力を発揮できるかを問うている。もちろん正確にである。早いだけで仕事が不正確でも困るし、正確でも仕事が遅ければ、企業では優良な人材だとは言えない。そういう力を問うているのではないかと思うのだ。仕事ができるということは、早いことと正確にと言うことの2つがある。その他にもいろいろな面があるが、単純な仕事で同じものをする場合には、時間あたりの仕事量が多い方が良いに決まっている。

 そういう目で数学の力を見ていくことも必要だなあと思うのが、特に医療関係の私大の問題である。問題は抽象的な難しさという意味合いよりも、具体的な問題であるだけに取っつきやすいが、とにかく計算が非常に煩雑であり、与えられる複雑な情報をいかにして整理して処理できるかという力を問うているように思う。そういう処理能力のある人材がほしいメッセージのようにも受け取れる。
 このような仕事は挙げたらきりがない。学校での掃除(いい加減にすまそうと思っている人間は論外)、コンビニでの仕分けの仕事、選挙で投票管理をする人間が投票数を数える仕事等々・・・挙げたらきりがない。

 大学入試センター試験でも、時間内に問題を解くことが難しいと思われる問題も出てきている。1問1問の問題のレベルが低いと思われる問題でも、問題数の多さで高得点を挙げるためには速さが求められるところも多い。この場合、受験生の力を測るためにはを基本的なところに主眼をおきながら、効率の良さや正確さを測ることができる。大学の難易度が二極化する中で、基準を下げつつある学校の中では、このような傾向が顕著に見られてきている。教科書レベルプラスアルファの問題を速く正確にできるようになること。これさえできれば、かなりの大学をクリアできるようになるはずだ。この傾向はさらに強まるだろう。

 与えられた仕事をきちんとこなす力が求められるような仕事では、「速い」「正確な」仕事が社会では求められる。教科書レベルの決まり切った問題を正確にきちんと解くための力を身につけるための勉強では、この力を非常に重要視してもらいたい。
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