23.視覚に訴えかけない受験生は難問を解けない
 数学は難しい。頭の中で考えるのはもっと難しい。
 よく、数学の問題では「図やグラフで書きなさい」といわれるが、それは、頭の中でできる作業にも限界があり、その作業を助けるのに図やグラフを書くことが非常に重要である。
 図形の問題であれば、普段からきちんとした図形を書いておくことが大切である。「普段は書かないが、本番では書く」ということで何とかなるほど甘くない。特に、書くことに慣れていることが無駄のない試験時間の配分につながっていくのだ。特に大学入試の問題の多くは、自分で図を書くことが求められる。易しめの問題集や先生方の指導によっては、図を書いてくれるような先生がいるかもしれないが、実はそれは甘やかされていることになり、本番では、図がないことのほうが圧倒的だ。数学Tで学ぶ三角比の問題では、図は書かれていないことが圧倒的であり、センター試験もよほどのことがないと書いてはいない。そういう状況下で自分のイメージしている図をきちんとかけるかどうか。また、数学Bのベクトルも然りだ。
 当然ながら、図にはなにがしかの情報を使いで書き込むことになることが多い。大きめの図を書くことも当然の心がけとして持っておきたい。蛇足だが、センター試験前には、中学校で学んだ図形分野を復習することも大切だ。図形の性質をきちんと押さえておく丁寧な詰めが欠かせない。

 さらに、解答を見る側の人間に対して、答案に説得力を持たせることができるという効果も見逃せない。説明を文章で筋道立てて書くということも大切だが、そのことを超越しても「図より」という説明の方法も、きちんと図が書けていれば成り立つ。特に、このような説明が有効なのは、関数分野の問題であり、そういうことで答案を見る側も大いに助けられ、説得力を持つ解答になることが多いのだ。

 限られた時間内で試行の限界に挑戦するためには、視覚的に理解できる図の力は計り知れないものがある。日常からある程度リアルな図を書く訓練をすることで、問題に対してのとっかかりを作れるようにしておきたい。
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