○南カリフォルニア交通権利擁護
 
 高速道路網が縦横にはしるロサンゼルスはアメリカ車社会を象徴する街。
自動車中心の交通政策により、渋滞や大気汚染が激化してくる中、公共交通の充実と改革を求めて運動をしている非常利団体。
1987年に設立され、95年に法人化した。
 会員は約40人、全員が他の仕事を持った人たちで事務所はない。
公的支援は一切無く、会費と、交通情報誌(交通案内書)を作成・販売して収入としている。
活動の独立性が必要であり、公的な助成は受けないとのことであった。
地域の交通計画が、その目的や利用者のニーズにに合っているのか、コスト面で効率的かなど、について月1度ミーティングを
行っている他、交通に関する意見を会員や市民からインターネットで集約し、市や交通公団(MTA)に対して情報提供を行い、
効率的で快適な公共機関の整備を求めている。
 サンタモニカ市は、彼らからの協力を得て住民のニーズを踏まえたバス交通計画を1年かけて策定したという。
営利のコンサルタント企業ではなくNPOが行っているというで、調査などの活動への市民から信頼性が高いとのことであった。
 今後もリバーサイドにおける交通のリストラ、サウスベイのバス−地下鉄交通の改革など交通公団から依頼があれば協力していく
という。

○ロサンゼルス・ボランティア・センター(VCLA)
  アメリカには全米役500都市に、ボランティアセンター(またはボランティア・アクション・センター、
ボランティア・プレイスメント・センターなど)と呼ばれるボランティア斡旋を主な活動とする非常利団体がある。
  VCLAは1946年にできた施設で、ボランティア希望者を面接し、本人の希望、能力、条件などからいくつかのプログラムに
登録し(多くの場合パソコンでデータベース化される)、ボランティアを必要とする非常利団体と「マッチング」を行なう。
年間数千人の規模でボランティアを紹介する。
市民のボランティア意識の高揚や行政への政策提言、NPOへのマネジメント支援なども行なう。

 市内に4つの支所があり、スタッフは専任職員22人、パート2人。
  ボランティアプログラムはいろいろあるが大きく分けて
 @交通違反や軽犯罪者が罰金の代わりに選択するボランティア活動、
 A再就職を希望する人への有償ボランティア、
 B退職者、老人向けの有償ボランティア、
 C問題を持つ(不登校、読み、計算ができない)中学生への補修ボランティア、
 D家族で参加する体験ボランティア、
 E事務作業ボランティア(タイプ、コンピュータなど)がある。
 @は、裁判所で有罪判決を受けると多額の罰金を支払うか、罰金減額+ボランティアのどちらかを選択できる面白い制度があり、
ボランティアは5年間で約21,000人。
  A、Bについては、少々職安的な印象を受けるが、親の無い子どもと一緒に遊んだり、学校や施設で食事サービスを手伝ったり
しながら、少ないながらも収入得ることができ、ボランティア活動になじんでもらうというシステムで、所得が少ない人向けのプ
ログラム。一時間3.25$。
  Cは、週2〜3時間、勉強を教えたり、生活指導をする。日本でのフリースクールのような役割。
6月以上できることが条件だが、問題児が多く、辞める人が多いという。
 Dは、ファミリー・マターという、小さい頃からボランティア精神を身につけてもらうためのプログラムで、親子数グループに
スタッフが付き、遊びの精神を取り入れたメニューにそってボランティアを体験する。

  1年で350以上のエージェンシーからボランティアの依頼があるが、派遣に当たっては以下の協定を結びトラブルが生じない
ようにしている。(協定を結ばない、協定を守らないエージェンシーには派遣を行わない。)
  @トレーニングをする。
 A辞めるという本人の意向を規制しない。
 B宗教や政治活動をしない。
 C傷害保険(4.25$)に加入させる。
  そして、これらの活動を通じて地域社会が抱えている問題を市の行政に反映させることも行っている。

○リトル東京サービスセンター(LTSC)
 
リトル東京サービスセンターのスタッフと  1998.1.16

  サンフランシスコ市内にある「リトル東京」の一角に「カーサ ヘイワ」という日本でいう市営住宅のような高齢者や
比較的所得の低い人たちが入居している集合住宅があり、その1階に「リトル東京サービスセンター」の事務所がある。
 LTSCは、1979年に設立され、日系人スタッフを中心に、日系・アジア系アメリカ人に対して様々なサービスを行っている。
  ここではレクチャーを受けるのではなく、ここで1日お手伝いをしながら活動内容等を教えてもらうことにした。
 センターは、日系人へのサービスを中心に
 @病人などへのメンタルヘルスのため訪問相談を行っているソーシャルケアサービス
 A消費者情報の提供や啓蒙活動を行うコンシューマーエデュケーション
 B永住権取得やそれに関するトラブルの相談を行う市民権ワ−クショップ
 C家庭内暴力など生活上の問題に電話相談を行う日系ヘルプライン
 D児童虐待問題への取組み
 E骨髄バンクのアジア系ドナー登録
 F留学生への相談を行っている留学生ホットラインなど幅広い活動を行っている。

 私は朝9時30分からのスタッフミーティングに出席させてもらった。
センターの各セクションのスタッフと大学の実習生、計15名が集った。
 話題は、最初に各相談業務の内容と抱えている問題、それへのアドバイスから始まった。
  次にファンドレーディング(資金集め)のために開催するパーティについて打合せ。
 多くのNPOがこうしたパーティを行い活動資金を集めている。
LTSCは数年前から日系の組織らしい「トーフフェスティバル」を開催している。
日本の代表的食品の一つで健康に良いことやメニューが豊富ということで豆腐を使うことにしたが、予想以上に好評だったそうだ。
豆腐料理のレシピ集も作り、子ども虐待への取組み資金にしている。
 しかし、最近は、企業の協賛が落ちてきているという。
特に、頼りの日本企業もかつてのように日系のコミュニティを支援するということが無くなってきているそうで、手分けして企業や、
在住の日本人などを訪問しているとのことであった。
  昼は、わざわざ私のために「なべパーティ」をしてくれた。鶏の水炊きで、柚ぽんで食べる。豆腐、ゴボウ、白菜、白滝と何でもある。
  2世は全員バイリンガルで、けんかは英語ですると笑っていた。
 実習生の他に、大学生(日本からの留学生)が2名ボランティアでコンシューマーエデュケーションのセクションに来てコンピュータで
データベースを作成していた。
彼女らは、インターシップといって大学の単位をこのボランティア活動で取得できることになっている。
取得できる単位は1学年3〜4単位までで、大学には、ボランティア情報がたくさん貼ってあり、その中から自分で選ぶ。
 また、就職に際して、履歴書に記載されたボランティア活動が評価されることにもなるという。
  結局、手伝いより、各セクションで日本のこと、日系アメリカ人ことなどを「有意義な」おしゃべりして過ごしてしまった1日であった。