○北カリフォルニア・グラントメーカーズ(助成財団連合体)

 北カルフォルニア・グラントメーカーは、サンフランシスコなど北カリフォルニアの財団の連合体。
130の財団が加盟しており、NPOへの助成の窓口、財団間のネットワーク、政府への情報提供などの他に、政府機関や立法府に政策転換
を提案したり、災害などの緊急時における寄付受け入れ・ボランティア団体への助成など助成活動の振興のため様々な活動を行って
いる。こうした団体が全米にある。
 そこで専務のアラン氏に話を聞いたが、彼曰く
@政府組織(連邦・州・市)は、上層部はNPOの実態をよく知らないし、決定に時間がかかり効率的な助成ができない。
  ちなみに下の職員は定型的な仕事ばかりしてそこからはみ出る仕事をしようとしない、と言っていた。
  財団にはNPOや、ここの財団にいて実態をよく知っている人間がいる。
A神戸の地震のとき、政府に寄付が行くから、基金の使い方の決定がいろんな規定に縛られ、必要としているところに、迅速に資金
  が行かなかった。
  例えば「神戸グラントメーカー」があれば、いち早く資金をどのような組織に配分すればよいのかが決められただろう。
B(一度補助を出すとなかなか切れない。助成内容の評価はどうしているのか、という質問に)
  もちろん、報告書は出してもらうが、助成した団体の活動内容を、その分野の人などから意見を聞いたり、マスコミなどでどう評
  価されているのか、実際の活動の成果がどうなっているのか等を財団側が調査し、理事会でよい評価が得られなければカットされ
  る。 (かなりシビアに見ているようだ)
C助成内容についてもいろいろ議論して方針を決め、例えば、エイズ関係ならば、最近はどちらかというと治療関係のNPOには行
 うのでなく、政府のエイズ政策の転換を促進するような活動を行っているNPOに助成するという方針を採っている。
 また、各財団が福祉・教育・環境など、どの分野のどんな活動内容に助成したいのかを索引できる「助成団体一覧」を発行し財源
 の一部にしている。         

○日本文化コミュニティセンター(JCCN)

 「日本文化コミュニティセンター」は、サンフランシスコ市内の日系人街「日本町」にある同名のコミュニティセンター(アメリ
カの公民館)の建築・運営を行っている団体で、日系二世の人たちが中心に活動している。
センターは1980年代に建設され、この地域の日系人の文化・福祉諸活動の中心になっている。
 中に各種NPO事務所、体育館(バスケット・コート)、高齢者食事プログラム施設などがある。
日本では公民館は行政がつくるものと決まっているが、アメリカのコミュニティーセンターの多くはNPOによって建設・運営さ
れている。
 行政からも金が出るが、市民が積極的な資金集め活動を組織し、企業などからの寄付も多い。
 戦争中、生活していたこの地域から強制収容され、戦後帰ってきても土地も財産も失った日系人が自分たちで町を再建していくた
めにはその精神的、文化的拠り所としてこのコミュニティセンターを作ろうということになった。
  しかしそのために行政に頼ろうとは思わなかった。
建設費用は一部を除きすべて自分たちで集めた寄付で建設した。
  これは、強制収容という苦い経験から、自分たちのことは自分たちで守らなくてはならないという強い考えもあった。
そして、NPOとは、何かしないければならないことがあって設立されるもので、日本のように上から作るのではない。
  このセンターも建物の資金の一部は市から助成を受けたが、これからも基本的に助成を受けないで組織の運営を行っていくつもり。
センター専務理事の大前ポールさんはこのセンターについて、このように話してくれた。
 センターの1階には、戦前戦後を通じた、この日本人町の歴史資料が展示されている。
  センター内の壁にはタイルで作られた大きな絵が描かれていたが、そのタイルの一枚一枚に寄付者の名が刻まれていた。

○サンフランシスコ市長室地域開発局

 アメリカ連邦政府のNPO支援の代表的な制度にコミュニティー開発ブロック助成(CDBG)がある。
総額46億ドルに達する大規模な助成プログラム。
地域開発といっても経済開発、教育、雇用、社会福祉など地域生活全般を含み、広い層のNPOが対象になる。
州、さらには自治体を通じてNPOに助成される。
「ブロック」というのは細かい個別助成ではなく、大枠を決めただけの助成ということで、各市の状況にあった分権的な運用が可能
になる。
サンフランシスコでは市長室がこの窓口になる。
CDBG助成で、NPOの地域開発組合(CDC)の運動が大きく成長した。