○サンフランシスコ図書館友の会

 サンフランシスコ市立中央図書館は96年4月に完成した全米一の電子図書館。
サンフランシスコ図書館友の会は市民の側から図書館の運営等に参加し、これを支えるためのNPO。
公共図書館を市民が支えている。
友の会の理事会は20人、メンバーの中から選挙で選ばれる。
非営利団体としては珍しい。この理事会で方針を決める。
話をしてくれたマギー・オ・ドリスコールさんは事務局長で、その方針にしたがって事業を行う。
9名の有給のメンバーがいるが、500人のボランテイアがいる。
もともと新しい図書館の建設と資金確保(公債発行)を決議する住民投票を組織し、図書館への市民からの寄付もおこなったのが
友の会のメンバー。
 友の会は市民への情報力も強く、地域社会に大きな力を持っていて、図書館ができてからは、古本を販売したり、寄付を集めた
りして、新刊書の購入費にあてる資金集めの活動を行っており、また、日本では図書館が直接行っているような図書館内講習会、
教養講座、映画会、図書館ツアーのような図書館を市民に近づけるための様々な企画を行っている。
図書館に来れない人(特に子ども)のための無料の書籍配達や読み聞かせ(ブックバディーというプログラム)も友の会のボラン
ティアが行う。これにはボランティアを1日訓練する。
  年間予算は85万ドル、その内35万ドルを図書館に寄付している。
会の財源の大部分60%が本を売るポートレレイジングである。定期的なバザーで年間250,000冊の本を売り、それ以外に
年4日間の特別期間を設けて100,000冊の本を売る。
 図書館内でギフトストアーも経営している。
 有名な作家の講演を行い、チケット収入などの収入もある。他に企業の寄付が全体の約5%、10%が会費、25%が個人寄付。
 2千人の会員がいる。会費は一番安いので10$、高いので320$、会費の額の違いで、受けるサービスが違う。
 図書館では、インターネット接続コンピュータが何十台も入っていて、もちろん無料、ホームレスの人も自由に入館してインター
ネットを使っているそうだ。ただし送信できる機械は少ない。
  また、使い方が分からない人には、コンピュータの使い方を教えてくれるボランティアがいる。
私が夜、図書館に行ったときもボランティアの人がいて、その人にたずねたところ、昼間は銀行に勤めているそうで、このボラン
ティアが好きだからやっていると話してくれた。
ただし、こちらは市が募集したボランティア。
  図書館の貸し出しや図書検索など図書館の本業的業務は市と市のボランティアが行っていて、友の会は、市で行っていることで
は不十分な利用者ニーズに応えて様々なサービスを行う、というように役割を分けている様だ。
図書館の退職職員で会のボランティアをやっている人もいる。
  市民への情報力も強く、地域社会に大きな力を持っている。
また、民間非営利団体なので政治的なことなど、図書館では出来ない市に対する要望活動などが出来る。
 図書館は友の会と図書館運営を共同で行っている。市の図書館のスタッフとの関係は、あらゆるレベルで緊密な関係にある。
行政が民間から公へのの寄付を面倒がることや、公的機関内で民間人が一緒に活動することを敬遠するといったことは全く無い
そうである。
 企業がお金を出して名前を付けているコーナーもあるが、これには、賛否があるそうだ。

○ブロードモア警察保護区

  サンフランシスコ市の南、コーマ市のすぐ近くにブロードモア(人口約5000人)地区がある。
この地域は、「通常の」自治体を形成していない非法人化地域。
非法人化地域は、通常なら郡の警察サービスを受けることになるが、地域で警察区をつくっておけば出動時間が迅速になり、
きめ細かいサービスを保証できるとの住民の判断で地域を守る警察だけは地元で確保しておきたいと1948年に「警察防護区」
という特別区を結成した。
 市民の投票で選出されたコミッショナー3人とディレクターで区を運営する。
 公選される理事会の下に11人の警察官が雇われ、20名以上のボランティアがそれを補佐する。
 各世帯に年300ドル程度の「税金」が徴集され、警察保護区の財源にしている。
警察のボランティアとは、警官と一緒にパトカーに乗り、見回りや、交通違反など軽犯罪の取り締まりを行う。
危なくないのか、という質問に、ポリスアカデミーなどで訓練を受けているので、大丈夫と言っていたが、公務に市民が参加し
てくることに違和感を持っていないことに驚かされる。
 警察組織だけの組織だが、コミッショナーは一応市民から選出されたメンバーなので警察のこと以外のことでも郡などと折衝
することもあるという。
 警察署は街の通常住宅内にあり、犯罪以外に、真夜中の配管水洩れから迷い子猫の捜索まで何にでも出動するそうだ。