雨竜沼湿原とは?

雨竜沼湿原の周辺環境

 札幌や小樽の見通しの良い場所から遠く石狩湾を挟み、初夏を経ても白く残雪を抱く山並みを望むことが出来ます。増毛山地です。高々1500mにも満たない標高で、大雪山にも引けを取らぬ豊富な残雪を有するのは、日本海に面した屈指の豪雪地帯であるからです。
 この山域は「日本海側多雪地帯」と呼ばれる気候環境に属します。多量の積雪は日本海からの強烈な季節風が原因であり、その結果、独特の気候風土を形造っているのです。まさに、「冬に育まれた大地」と言えます。長く厳しい冬は、暑寒別川、徳富川、尾白利加川などの清流に砕かれ、その豊かな水環境が山麓の森や湿原、そして人里を養っているのです。
 「道北の増毛山地の・・」と紹介される場合が多いのですが、道北よりはむしろ道央圏に位置しています。地理的には道央北西部という表現が妥当でしょう。事実、雨竜沼湿原までであれば、札幌圏からは十分日帰り出来る距離に位置しているのです。
   この山域の盟主は標高1491mの暑寒別岳であり、さらには西暑寒岳 (1413m)、群別岳(1376m) 、奥徳富岳(1346m)、南暑寒岳(1296m)と、千メートル級の山々が十数座連なります。地質学的には、日本海に沿うグリーンタフ地域の西端にある「礼文・樺戸帯」に属しています。現在は既に活動を停止していますが、大雪山や阿寒の山々と同様、火山活動によって形成された山域で す 。 ただし 、グリーンタフ地域に含まれる他の地域の火山活動は 、第四紀 ( 170万年から現在までの年代 )に展開されたのに対し、暑寒別岳火山群は200万年から300万年程前 、つまり第四紀より前の 、第三紀の末頃に 活発な火山活動を展開した古い火山群であるとされます。
 この火山活動によって生じた広大な溶岩台地の上に雨竜沼湿原が形成されたのですから、雨竜沼湿原はまさに火山の申し子と言えるのです。
 太古の激動を物語る場所があります。雨竜沼湿原に至る道の途中で見る、「白竜の滝」がそうです。そこは、湿原の基盤となる溶岩台地の東端で、玄武岩溶岩の露出した断崖となっています。飛び散る飛沫の裏側で、時を超えた大自然のドラマが展開されたのです。


増毛山地の位置






白竜の滝

増毛山地の登山ルート


暑寒別岳から見る雨竜沼湿原方面
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