雨竜沼湿原・花ごよみ

 雨竜沼湿原は野草の宝庫です。山の花、湿原の花、草原の花、様々な花たちが雪解けと同時に順序良く咲き揃います。登山道や木道を歩きながら普通に観察できる、代表的な花たちをご紹介しましょう。


ミズバショウ      サトイモ科
Lysichiton camtschtcense
黄色(苞は白) 6月 花は10〜30cm 春一番を飾る花。白い苞は仏炎苞という。花は黄色い肉穂花序に多数つく。葉がバショウに似ることに由来しアイヌ名で「パラキナ(幅広い葉)」。

ショウジョウバカマ
ユリ科
Heloniopsis orientalis
淡紅〜赤紫色 6月 10〜30cm 中国揚子江に住む架空の動物「猩々」(しょうじょう)に由来し、花を顔に葉を袴に見立てた。花色の変化が多く白、淡ピンク、赤紫まである。

ホロムイイチゴ
バラ科
Rubis chamaemorus
白色 6〜7月(果実は8〜9月) 15cm 岩見沢市幌向で発見された。高層湿原に咲く木イチゴの仲間。やや縮れた葉が特徴。果実は真っ赤でルビーのように輝く。味は美味くない。

ヒメシャクナゲ
ツツジ科
Andoromeda polifolia
ピンク色 6〜7月 10〜20cm 小さな植物にはよく姫を冠するが、湿原の中でピンクの壷形の鈴を鳴らすように咲く。属名はギリシャ神話のアンドロメダに由来する。

オオバタチツボスミレ
スミレ科
Viola langsdorfii v.caulescens
淡紫色 6〜7月 20〜30cm 高山性のスミレで地上茎がある。花の大きさはスミレ中で最大で2〜3cm程ある。唇弁に濃い筋があり基部に毛がある。

ハクサンチドリ
ラン科
Orchis aristata
赤紫色 6〜7月 20〜40cm ラン科には動物の名が付く種が多いがチドリはその代表格。白山で最初に発見され花を千鳥に見立てたのに由来する。唇弁の先は鋭い。

ワタスゲ
カヤツリグサ科
Eriophorum vaginatum s.fauriei
黄色(花穂) 6月 白(果実) 7月 30cm 早春の黄灰色の花は全く目もくれられずに白い花穂のみが有名。これを綿に例える。眉掃草とも言い形態が化粧道具に似ることによる。

ヒオウギアヤメ
アヤメ科
Iris setosa
青紫色 7〜8月 60〜90cm 檜で作る檜扇に葉の重なり方が似ていることに由来し、アヤメ属の中では亜高山帯に咲く。花弁には綾目模様がある。

シナノキンバイソウ
キンポウゲ科
Trollis riederianus v.japonicus
黄色 7〜8月 60cm 約4cm位の梅に見立てた黄色の花。信濃の国に多く生育していたことから信濃金梅という。高山の湿性草原で群落を作る姿は壮観。

クロバナハンショウヅル
キンポウゲ科
Clematis fusca
赤紫色 7〜8月 ツル性 株立ちするがツル性。花の形を半鐘に例えた。湿源内には多いが絶滅を危惧されている植物の一つ。果穂は冠毛があり花より目立つ。

エゾカンゾウ
ユリ科
Hemerocallis dumortierii v.esculenta
橙黄色 7〜8月 70cm 雨竜沼で大群落を作る代表花。花は朝開き夕方しぼむ一日花。平安時代は「萱草」(わすれぐさ)と詠まれた。エゾゼンテイカともいう。

エゾベニヒツジグサ
スイレン科
Nyphaea tetragona v.tetragona
白色 7〜8月 水の精(ニンファー)、未の刻(午後2時頃)に花が全開することによる。夜は閉じる。花の中心は紅色。池塘の中キラキラ輝く白い宝石を思わす花。

ウリュウコウホネ
スイレン科
Nyphar pumilum v.ozeense
黄色 7〜8月 オゼコウホネの一品種として2005年2月に報告された。オゼコウホネは子房が緑色に対しウリュウコウホネは子房が赤褐色になるのが特徴。雨竜の名を持つ唯一の植物。

トキソウ
ラン科
Pogonia japonica
淡ピンク色 7〜8月 15〜25cm 絶滅必至の朱鷺(トキ)の羽色を、花びらの色に思い起こす花。茎頂に一個咲き唇弁にヒゲがある。可憐な花。

モウセンゴケ
モウセンゴケ科
Drosera rotundifolia
白色 7〜8月 5〜20cm 食虫植物。一枚の葉に数百もある腺毛で昆虫を捕食する。紅葉する全体を緋毛氈に例え、白い花も可憐だが秋の紅は美しい。属名は露を表わし、その分泌液を例えた。

タチギボウシ
ユリ科
Hosta sieboldii v.rectifolia
青紫色 8〜9月 60〜80cm 橋の欄干に下げる玉飾りの擬宝珠(ぎぼうし)、仏具の宝珠につぼみの形が似ることに由来する。花は一日で終わるが、次々と咲くので花期は長い。白花もある。

エゾノシモツケソウ
バラ科
Filipendula yezoensis
淡紅色 6〜8月 70〜100cm つぼみの時は紅赤色で、咲くと美しいピンクになる。下野国(現在の栃木県)に多かったことに由来し、その一種で北海道固有種。

イヌゴマ
シソ科
Stachys riederi v.intermedia
淡紅色 8月 40〜70cm 果実の形が胡麻に似ているが食用にならない。利用価値がないという意味のイヌが付きイヌゴマと名付けられた。しかし淡紅色の花は美しい。

ウメバチソウ
ユキノシタ科
Parnassia palustris v.multiseta
白色 8〜9月 20〜50cm 5弁の花の形を菅原道真の紋である梅鉢紋に見立てた。仮雄しべ5個は糸状に15〜22裂し、先端に球状の腺体が付く。湿原を飾るのは初秋の頃。

エゾリンドウ
リンドウ科
Gentiana triflora v.montana
青紫色 8〜9月 30〜60cm 低地から山地の草原に見られる大型のリンドウ。栽培種のリンドウはこの種の改良型で、根は健胃薬となる。雨竜沼では一番最後に咲く花。

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