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市民ネットワーク北海道
小林 郁子
2002年第1回定例市議会
代表質問第5番
No.4 質疑日2002.3.1

福祉政策について
本文 (1)高齢者福祉について
      1点目 介護保険制度の第三者機関による評価システムについて
   (2)障害者福祉について
      (1) 療育支援体制の整備について
      (2)強度行動傷害・自閉症児福祉について
      1点目 自閉症児者の実態把握調査について
      2点目 専門施設のTEACCH(テーチ)プログラムの導入について
      3点目 専門施設における在宅支援機能について
      4点目 専門施設の運営と設置場所及び時期について

 はじめに、高齢者福祉について伺います。

 介護問題については、介護保険制度の仕組みが整いつつあるとともに、課題もまた明らかになってきました。その一つに、サービスの質の向上を図ることが挙げられます。介護保険は、どのサービスをどこから得るのかの決定権を、行政から利用者側に移したことにこれまでの福祉制度と違う最大の特徴があります。その自己決定権を実効あるものとするには、利用する側にサービスについての十分な情報提供がなされていることが前提となります。現在、介護保険指定事業者は道内に約3700ありますが、これらによるサービス内容の評価については、道による事業者の自己評価基準があるのみです。しかも自己評価を行い評価結果の公表に応じているのは、指定事業者中訪問介護と介護老人福祉施設の合わせて311であり、事業者全体の1割にも満たず、サービス選択の情報としては極めて不十分です。このような自己評価には自ずと限界があることから、サービスを選ぶときの基準としては、第三者による公正な評価が望まれるところであり、その第三者も生活者の視点に立った地域に密着した団体・機関である必要があります。指定都市の状況を見ますと、神戸市と北九州市は既に実施しており、福岡市では、第三者機関の評価に加えて、重層的に介護事業者や利用者の視点も加えた評価システムを導入しようとしています。
 そこで質問ですが、本市においても介護保険制度の「利用者本位」の理念の実現を図る上で、第三者機関によるサービス評価の仕組をつくるなどにより、利用者にサービス選択の情報を提供し、同時に事業者のサービスの質の向上を図ることが必要と考えますが、いかがか伺います。
 続いて、障害者福祉についてです。
 はじめに、療育支援体制の整備について伺います。
 障害児者の療育支援体制の構築について、'99年に「札幌市療育支援体制基本計画検討委員会」から答申が出されています。その内容は、障害児者の総合支援センターの設置と、市内を5つの地域療育圏に分け療育体制の整備を進めるべきとの方向を示したものです。
 現在の児童相談所や障害福祉施策にないことで今求められているのは、保護者が子どもの発達に不安を持ったときから始まる専門相談と、その後の成長に伴う一貫した指導であり、年齢段階ごとに教育機関との連携や地域生活、就労などへの支援が必要とされています。さらに保護者は自分が亡くなった後の障害のある子のことも心配しているものであり、総合的な支援体制の構築は一日も早く待たれているものです。
 そこで質問です。現在、療育支援体制の基本計画について「札幌市地域療育推進協議会」で協議しているとのことですが、答申後既に2年経過しており、総合支援センターの設置や地域療育圏の整備に向けて具体的な施策を早期に講じるべきと考えますが、どのような見通しの下で進めようとされているのか伺います。併せて、策定中の障害者福祉計画において、生涯にわたる総合的な支援体制の整備を図るべきと考えますがいかがか伺います。
 次いで、強度行動障害・自閉症児者福祉についてです。
 自閉症は、言葉を通じてのコミュニケーションが成り立ちにくく、行動障害が伴うなど治療も教育も対応が難しい障害であるといわれています。1000人に1人発症するとされていますが、現状では、市内に自閉症者がどのくらいおられるのか、また、その生活実態についても十分に把握されておらず、わずかに'99年現在で、知的障害者施設における自閉症者や自閉症的傾向にある方が325人と把握されているのみです。
 昨年の決算特別委員会において、今年度内に「自閉症者処遇基本計画」を策定すること、併せて、想定される自閉症者入所施設の規模や機能を明らかにしています。そこで、自閉症者の処遇及び本市における強度行動障害を併せ持つ自閉症者専門施設について順次伺います。
 1点目は、具体的な施策の構築にあたっては、自閉症児者が在宅や施設でどのように生活し何を望んでいるのかなど、自閉症児者の実態と意向の把握が必要です。今後の重要な施策展開にあたって、実態把握調査を実施すべきと考えますがいかがか伺います。
 2点目は、今回、国が全国8カ所に開設する「自閉症発達障害支援センター」の一つが、上磯町にある「おしまコロニー」を運営する社会福祉法人「侑愛会」に委託されることになりました。ここが選ばれた最大の理由は、療育方法として、自閉症者が理解しやすい視覚情報を用いるTEACCHプログラムを実践し、大きな成果を上げていることにあります。私のところにも、自閉症児を持つ親からおしまコロニーに入所させることによって、子どもに大きな効果が認められたという話が寄せられています。本市で設置予定の専門施設においては、自閉症の治療療育方法として世界的にも評価の高いTEACCHプログラムの導入が望まれますが、いかがか伺います。
 3点目は、専門施設における在宅支援機能についてです。
 自閉症児者、家族、関係機関等に対し専門的な相談、療育、就労支援などを行うことや、日常生活を営むのに困難な自閉症児者のいる家庭に対するホームヘルプサービスなどが必要と考えます。施設は、このような地域生活を支援する専門的総合的な機能を備えるべきですが、その実現に向けた取組を伺います。
 4点目は、専門施設の運営とその設置場所及び時期についてです。施設の運営については、常に自閉症児者や保護者の意向が反映される仕組みを持ち、専門性と経験を有する社会福祉法人等への委託が望まれます。運営主体並びに設置場所及び時期について、具体的にお示しください。


【答 弁】

桂市長
 次に,福祉政策についてお答えいたします。
 1点目は,高齢者福祉についてであります。
 介護サービス事業者に関する情報提供は,利用者が事業者を適切に選択するうえで,重要なことと認識しております。
 しかしながら,第三者機関による事業者評価は,事業者からの協力や客観的な評価基準の確立など,検討すべき課題があることから,今後,研究してまいりたいと考えております。
 2点目は,障害者福祉についてであります。
 まず,療育支援体制の整備につきましては,民間施設の有効活用を図りながら,保護者にとっても利用しやすい療育支援のあり方等,「札幌市地域療育推進協議会」のご意見をいただいて進めてまいります。
 また,障害者福祉計画の見直しに当たっては,生涯にわたる総合的な支援体制につきましても,検討してまいりたいと考えております。
 次に,強度行動障害・自閉症児者福祉についてであります。
 本市では,自閉症者への総合的な施策のあり方を検討するために,昨年6月に「札幌市強度行動障害・自閉症者処遇基本計画検討委員会」を設置し,基本計画の策定に向け検討を進めているところであります。
 1点目の自閉症児者の実態把握調査につきましては,この障害の特性やプライバシーの問題から,難しいものと考えております。しかしながら,検討委員会のなかに,札幌自閉症児者親の会代表,自閉症者専門施設長,札幌市のぞみ学園入園児親の会代表に加わっていただき,自閉症児者の現状を把握し,施策に意見や要望を反映させているところであります。
 2点目の自閉症治療療育方法としてのティーチ(TEACCH)プログラムにつきましては,既に市内におきましても実績をあげている施設がありますので,導入する方向で検討しております。
 3点目の専門施設における在宅支援機能につきましては,住み慣れた地域での生活を支援する施策が必要であると認識しておりますので,取り組んでまいりたいと考えております。
 4点目の運営主体につきましては,社会福祉法人のノウハウを活用することも視野に入れて検討を進めており,平成14年度の早い段階で設置場所を選定し,開設時期につきましては,国との協議等を経て決めてまいりたいと考えております。