真空管の不良球の見分けかたについて:

以前、電圧増幅菅の12BY7Aを一度に200本以上検査してみましたが結構エミ減の不良球がありました。
ひとめ見てゲッターが白または半透明になっているものは明らかに不良で実際に計ってもgm値はゼロです。
左の写真の真空管を見てください。これは目で見て分かる方法のひとつです。
このようにゲッター鏡面が白くなった物は真空でなくもはや真空管ではありません。
書画骨董の類のような目利きが必要とされる真空管購入。
抜き玉には注意しましょう。昔の技術者は不良交換や定期交換の際、古い真空管を新しい真空菅と交換して入らなくなった新品の箱に入れなおした人も多かったとか。1960年代私も現実に見ていました。物を大事にする時代でしたから簡単に捨てる習慣がなかったかもしれません。真空菅式テレビやラジオの故障は大抵はエミ減によるもので交換さえすればなおるケースが多かったのですが当時の電器屋さんはサービスマンパックといって交換用の真空管を一揃え準備して修理に廻ったものでした。好奇心のあるラジオ少年の時代ですから修理の一部始終をみておりましたが電器屋さんはなんと不良とおもわれる真空管を新品の箱に入れなおしていたのです。(当時の腕のいい修理屋は真空管のストックを沢山持っていたようです。)そうしたものが物置や倉庫などで眠っていてヤフオクなどで流通するのは厄介な話です。新品箱入りと書いてあってもセロハンで密封した物しか信用できません。私もオークションではずいぶん抜き玉を買わされました。元箱入りと中古などと出品してたもので、なかには箱にはっきり「不良」と書いてあったり×印のあるものありました。^_^;  売るほうの神経も相当なものです。

ゲッター(鏡面)の減り具合、ピンの傷あと、MT菅のガラス底の色具合、MT管のステムの中に埋め込めれたジュメット線が黒いもの、印刷面が焦げているようなもの。プレート・カソード・フィラメントの変色具合など外部から見て過去の使われ方が漠然と分かる場合がありますが電圧増幅管でハーモニックス雑音のひどいもの、その他の雑音の大きいものは外面から判別できずプリアンプに実装してヘッドホンで試聴してみないとわかりません。現代では12AX7向きのチューブチェッカーも開発され雑音関係の選別が容易にできるようになってきました。TV-7などの旧来の簡易型真空管試験器では雑音のチェック機能があるものの微細な選別は困難でTV-7などの主要な役割はエミ減球の発見にあります。


2004年7月11日 制作