第11話 時の流れの注意報

近くにある発掘中の古墳から、わたしがなにかを感じ取ったのがはじまりだったね。
それから毎晩のように、わたしたちの夢にもでてきて。みかげにテレパシーで問いかけても、そのころからなんか心ここにあらずって感じだったし。
意識の海の中でおぼれてたんだ。でもなんだか日ごとに苦しくなっちゃって……
熱を出して倒れちゃったんだったね。

ノートにおたまじゃくしがいっぱい書いてあったのを見たときは、びっくりしたよ。天才のやることは違うなって。
それ、どういう意味よ!? わかる人にはちゃーんとわかるんだから!
更科先輩のこと? 更科先輩は天才っていうより秀才って感じだから、みかげみたいなかわったことは……。
ちょ、ちょっと! いいかげんにしなさいよ!?
……。おたまじゃくしが勾玉(まがたま)だってことまではわかったんだけど、
(さらっと流したわね!?)
(あはは……)んんっとそうそう。夢の中にでてきた女の子が、勾玉つけてたところから、今までの夢がなんだったのかわかってきたんだ。
それで、あの古墳となにか関係があるんだって思ったのね。

お母さんがみかげの看病で疲れて寝ちゃってたから、わたしがかわりに看病してたんだけど、その時にみかげの意識の中へ夢の続きが流れ込んでたんだったね。
次の日ともみが古墳にある石棺にふれたときに、男の人の想いも少しづつ流れてきて、すべてがわかったんだ。
おたがい想い合っているのに引き離されるのって、悲しすぎるよ!

せめて勾玉だけでも…という彼女の願いもかなわず、最後は彼女とともに、赤い勾玉も海の底へと沈んでいってしまって……。
わたしにできることといったら、あの勾玉を見つけて男の人のもとへ渡すことくらい。野田くんのコネでスキューバダイビングのセットを借りてきてもらって、それだけはできてよかったよ……。

ふたりとも、無理やり仲を引き裂かれて想いがかなわなかったことを、長い間ずっと忘れられないくらい想いが深かったんかったんだね。なんだかうらやましいな。
先輩がロンドンに留学して距離が離れていることくらい、がんばって乗り越えなくっちゃねって、思ったよ。


この回もわりと重ための話なんで、笑い系統な感想はそれほどないです。無表情なみかげちゃんに、影浦先生びびりまくり!ってのと、野田くんはともみちゃんをからかうのもほどほどに……ね。といったところかな。
そういえば勝手に発掘現場に入ってましたけど、これっていいんでしょうか?(^^;

もともとシリーズ前半の多くはそういった話なんですが、この回も「ともかく見てくれ」といった話ですな。百聞は一見にしかずです。今の日本は基本的には自由な恋愛が許されているので、こういった悲劇はそうたくさんおこらなくてよかったなと思う次第であります。
みかげちゃんを看病するおかあさん
風邪が治ってコーヒーを飲むみかげちゃん


第12話 ともみの胸のつむじ風
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