【解説】52頁からなる中労委命令は、不当労働行為を構成する経緯を細かく事実認定しました。以下はその要旨です。


1.組合を誹謗中傷する文書配布
・組合は「佐々木ケア長が組合員に圧力をかけ、これは不当労働行為に該当する」として「労働委員会に申し立てを行う 」と述べているが、労働組合が使用者の言動を不当労働行為と考え、それを止めなければ救済申立を行うと警告したこ とはなんら問題はない。それを「脅迫行為」と報じた法人の表現は不穏当かつ不適切と言わざるを得ない。
・法人が回覧した「法人本部ニュース」や「北方ジャーナル」は、組合が極めて理不尽な行為を行っているかのような印象 を与える。

2.法人による第2組合への支援
(1)2組役員による勧誘は、使用者としての行為
・山川良一事務長(初代・第2組合委員長)や、楢崎基範事務長(現・第2組合委員長、専従)ら各施設の事務長は施設の 各部門にまたがって、経理や給与に関する事務を行い、また求人活動の窓口としての役割も果たしていた。 (事務長の使用者性)
・事務長らは、事務長室に部下を呼び出すなどの方法で第2組合への勧誘を行った。
・勧誘された職員の中には、勤務中の者や勤務初日の新採用者も含まれた。
・勧誘された職員は、管理職である事務長から第2組合への加入を求められたと受け止めたと推認できる。

(2)法人・2組一体となった作戦
・法人幹部と第2組合は2002年3月11日「オールノテ三役との事務協議」と題する不当労働行為の実行計画書に基 づく打合せをもった。
・この計画書によれば、第2組合への勧誘は第2組合と法人が役割分担していた。
・計画書の内容は、組合の資料としては不自然であり、「自分が作成した」との山川証言は信用できない。
・法人の新採用者(契約更新者)への第2組合に関する説明方法は「計画書」と一致する。
・南久俊本部長、佐々木勝参与、山川良一事務長らの証言はそれぞれ矛盾し、書面について全く知らなかったとか関与し ていないとすることは合理的ではない。

(3)法人による第2組合への賞賛
・2002年4月11日、対馬徳昭理事長、対馬輝美専務理事(当時)らは「躍進大会」に出席し第2組合を激励した。
・法人ニュースが第2組合の結成を「理想的な組織」と賞賛したのは、法人が第2組合への加入を奨励していると受け 取られる。

(4)施設長による「オルグ」
・南本部長(当時・特養ふるさと施設長)や近藤事務長は、若林亜紀子看護師の契約更新に、正職登用や時給アップを提示しながら第2組合への加入を求めた。(それを否定した南証言は信用しがたい)