Sapporo General Union

高齢者施設部会08FaxニュースNo.7

発行責任者 札幌地域労組書記長 鈴木一  011-756-7790 Fax756-7792 2008年10月18日


悪徳理事長の追放で劇的に健全化
結成から10ヶ月を経たシルバニア・ユニオン

   札幌市東区で特養ホーム「ウィズ東苗穂」とケアハウス「ポプラ東苗穂」を運営する社会福祉法人シルバニアは、 9月に開催された理事会を経て、組合が求めていた労働協約の締結や未払い残業の清算等について、 全面解決することを組合に回答しました。今年2月の組合結成から、経営側の不正を徹底的に追求し 理事長を退陣に追い込んだシルバニア・ユニオンの闘いは、やっと正常化の途につきました。

未払い残業約2千万円の支払いに応ずる
 結成時から組合が要求していた未払い残業代について、法人側は過去2年間に遡り約2000万円 を支払うことを組合に回答しました。

事前協議制などの労働協約を締結
 法人と組合は、施設内での組合活動の保障や労働条件を変更する際の事前協議(同意約款)などを 含む基本協約を締結しました。なお、ユニオン・ショップ(強制加入)協定については、理事長を退陣に追い込んだ 余勢で締結を迫ることも可能でしたが、組合活動の基本が育っていないなかでは御用組合化する危険性もあり、 当面はオープンショップ(自由加入)で行くことを選択しました。

内部告発者を保護する労働協約も締結
 法人は、組合が求めていた内部告発者を保護する目的の労働協約の締結に応じました。 経営者がこのような協約に調印したことは、二度と不正を起こさない決意の表れとして評価できます。 内部告発保護の協約締結は、札幌地域労組の加盟組合で5例目となりました。

理事会、不正を見過ごした責任を認める
 組合から指摘されるまで、前理事長による不正を見過ごしてきたことは、 現理事会や施設長にも責任があるとして、組合は理事会に対し一定のケジメをつけることを求めていました。 これに対し理事会は、組合からの指摘を重く受け止め、今後の再発防止を誓うとともに、 常勤理事である総合施設長に対し懲戒処分(譴責)を課すことを組合に回答しました。
 前理事長による施設経営の私物化を見過ごした事で、シルバニアの運営が破綻寸前の状況に陥っていたことを考えると、 今回の処分は甘い感がない訳ではありません。 しかし、総合施設長が今回の組合結成を前理事長による不正を正すチャンスと受け止め、 組合弾圧などの不当労働行為を一切行わなかったこと、また前理事長が新たに送り込もうとした労務屋 (元労組幹部)を毅然と追いはらったことなど、評価すべき点もありました。 本来、組合は使用者側の人事に口をはさまないのが原則であるところ、一定のケジメを組合に示したことは 理事会の誠意と評価できます。

産休取得者に対する不利益扱いを救済
 組合結成以前のシルバニアでは、妊娠した介護職員が正職から臨時職員に降格させられた ケースが過去に数例ありました。これは、産休・育休取得者への不利益取り扱いであり、 明らかに違法行為です。組合は結成直後から産休・育休取得者への不利益取り扱いの原状回復を求めていましたが、 労使交渉で対象者の正職復帰で合意が成立しました。

画期的な理事会議事録の開示
 施設側は、9月26日に開催された評議委員会・理事会の議事録を全職員に回覧しました。 これは特に組合が求めたものではなく、理事会が自らの判断で始めたものです。シルバニアは、組合結成から10ヶ月 という短期間のうちに、以前の悪徳経営から180度転換し前例を見ないほどのテンポで健全化の道を歩み始めました。 これからは、本当の意味で利用者の視点に立った介護を労使で取組んで行かなければなりません。

団結すれば、変えられる
 他の福祉施設から転職して間もない1人の事務員が、「ここはなぜ、こんなにお金がない施設なんだろう」 という素朴な疑問から経営者の不正を疑い、札幌地域労組にメールで相談を寄せたのは昨年の11月でした。 そこから組合結成を目指す女性労働者4名の核ができ、4ヶ月後には燎原のごとく60名の組合に結実しました。
 彼女たちの闘いは、腹をくくり団結すれば、自分たちの職場では「あり得ない」と思っていた労働組合が誕生し 、経営者に対し堂々と書面で待遇改善を要求し、労使対等な立場でそれを課題とする団体交渉ができ、 その結果「労働条件を変更する時は労使の合意で行う」という労働協約を締結し、それはすなわち職場に民主主義を 持ち込んだのです。少しの勇気と知恵が、彼女たちの未来を切り拓きました。

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