【報道関係者用資料】
札幌市に提出したものは全て実名の書面ですが、この資料は法人の理事以外はすべて匿名としました。
 
問合せ先   札幌地域労組 書記長 鈴木一
Tel011−756−7790
Fax011−756−7792
携帯090―3468−0533

2004年8月27日
札  幌  市
市 長 上田文雄様
札幌地域労組
執行委員長 高桑史嘉

申  入  書
貴職におかれましては、益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
この度、当組合は組合員の証言に基づき、特別養護老人ホームルミエール内で、下記に述べるような利用者への暴行 ・虐待の事実があることを把握したので、ここに内部告発いたします。
本件虐待事件は、本年6月27日、利用者への虐待を現認したケアワーカーが、後日、上司や長沼倭文子 施設長に虐待の事実を報告し、再発防止を強く要請した経緯があります。 しかし、事件発覚から約2ヶ月経た今日においても、長沼施設長らはなんら適切な措置を講じないばかりか、 今日に至るまで虐待の常習が疑われる複数の職員を通常業務(虐待が多発する夜勤を含む)に就かせている実態にあります。 また、長沼施設長らは複数の労働者からの事情聴取や投書によって、暴行・虐待の事実を把握していたにもかかわらず、 札幌市保健福祉部の調査に対し「虐待の事実は無い」と虚偽の報告を行い、虐待事件を隠蔽しようとした事実があります。 このことから、もはや社会福祉法人公和会・特別養護老人ホームルミエールに自浄作用を期待することはできません。
つきましては、利用者の人権を守る立場から、 貴職による強力な指導・介入による本件虐待問題の抜本的な再発防止策を講ずることを強く要請いたします。 当組合は貴職の調査・指導に全面的に協力する用意があります。
なお、貴職が本件申入書に添付した資料を ルミエールの経営陣に開示する場合は、内部告発者の保護を講ずる必要が生じます。その場合は、先ず当組合と開示方法 などについて協議することをお願い致します。

1.当事者
法人名 社会福祉法人公和会
理事長 長沼政幸(札幌ロイヤル病院 院長)
施設名 特別養護老人ホーム ルミエール
施設長 長沼倭文子(理事長の妻)
住 所 札幌市白石区東札幌1条3丁目1番1号
電 話 011−825−8555

2.虐待の事実
(1)Aさん(91歳)への暴行
 本年6月27日午前5:45頃、325号室においてAさんの介護を行っていたKケアワーカーは、 オムツ交換中に同人がお尻を掻いたことに腹を立て、「なんで掻いたんだ、汚ねえだろう」と怒鳴り、 平手でAさんの頭を乱打するなどの暴行を約5〜6分間続けた。
 この様子は、当日同じ3階の夜勤に就いていたTケアワーカー(パート職員)が目撃した。
このことは同人が6月30日に長沼倭文子施設長に報告し「直ぐに注意をしてもらえませんか」と直訴するも、 施設長はKケアワーカーを夜勤から外すこともなく今日まで放置している。
(虐待の多くは夜勤の際に発生している)※別添資料3頁参照

(2)Bさん(90代)への暴行
 本年5月下旬から6月上旬にかけてKケアワーカーは、Bさんへの食事介助や、おやつ介助などの際に、 食後の水分補給を摂りたがらないBさんに腹をたて、起立の位置から車椅子のBさんの頭頂部めがけてゲンコツで殴った。
 この件はTケアワーカー(パート)、Sケアワーカー(パート)、Xケアワーカー(派遣労働者)らがそれぞれ別の機会に目撃し、 その旨を介護主任らに報告済である。
なお、3階の介護日誌およびBさんの個人記録に「頭頂部変色」の事実が記載されている。
最近、施設側はこの介護記録を改めて調査しているので、この事実を把握しているはずである。

(3)Cさん(70代)への暴行
 本年5月下旬から6月上旬にかけてKケアワーカーは、ゲンコツでCさんを殴った。
この時期、上記のBさんとCさんは向かい合わせに座らせられて食事介助を受けている。
すなわちKケアワーカーは、食事介助をしながらBさん、Cさん両名の頭を殴りつけていたのである。
毎日恐怖のなかで、ケアワーカーに殴られながら食事をするお年寄りの姿を想像してみて欲しい。
 この件はXケアワーカー(派遣労働者)が、8月19日に鈴木則子副施設長、H主任、S主任ら3名による事情聴取の際、 証言した.もよう。

(4)Dさん(90代)への暴行
 Dさんは服を着たがらない傾向が強く、離床の際には自分で服をきてもらうことへの介助作業が発生する。
Kケアワーカーは、その際に時間がかかることに苛立ち、「汚ねえだろ、触るな」「早く服、着れって」などの粗暴な 言葉を浴びせ平手でDさんの頭を叩いた。
Dさんは「おっかない人だ」「叩かれたと」(九州弁?)などと抗議の意思表示をした。
 この様子は、Tケアワーカー(パート)が目撃している。
また、直接の目撃ではないが、KケアワーカーがDさんの介護をしている際に、 他の女性職員がDさんの悲鳴を聞いているとの報告を、Sケアワーカー(パート)が聞いている。
(資料2の1)
 なお、Dさんは7月20日より硬膜下血腫で入院しているが、 それがケアワーカーによる暴行に起因する可能性も否定できない。

(5)Eさん(70代)への暴行
 本年4月21日以降、Yケアワーカーと新人のNケアワーカーの両名で、暴れるEさんの介助にあたっていたところ、 通りかかったKケアワーカーが「どうした」と言いながら入ってきて、突然、Eさんのオデコのあたりを平手で叩いた。
このことは、Yケアワーカーが施設の目安箱に投書したもよう。

(6)その他の虐待行為
  ア.いいかげんな投薬――――指示どおりの時間に投薬しない。(資料2の1)

  イ、大音響でのCD―――2階3階双方でKケアワーカー、SHケアワーカーの夜勤の際、
    大音響で「桑田圭介」などのCDを流し続ける。
    当然、ナースコールは聞こえない。
    この様子は朝出勤したH主任も目撃したことがあるが、なにも注意できないまま放置。

  ウ、着替えをさせない――――その時のメンバー構成によっては、全く着替えをさせない
    場合がある。
    着替えの介助をさぼり、服の上からパジャマ(拘束着)を着せたケースもある。

  エ、乱暴な言葉づかい(言葉での虐待)―――これは、これまでの報告で名があがった
    職員以外にも、殆どのケアワーカーが該当する。(資料2の1)

  3.暴行・虐待を裏付けるポイント
(1)証言が可能な関係者について
  ・T ケアワーカー(パート職員・組合員)
  ・S   〃    (  〃  ・組合員)
  ・Q   〃    (正   職・組合員)
  ・L   〃    (  〃  ・組合員)

(2)証言が期待できる関係者について
  ・Y ケアワーカー (正   職)
  ・YM   〃   (パート職員)
  ・X    〃    (派遣労働者、本年5月20日頃からの派遣)
  ・Z    〃    (  〃           〃    )
  ・SU   〃   (派遣労働者・本年6月末頃からの派遣。看護師資格を持つが
   介護業務を体得する目的で介護職員として働く。
   現在は研修中の身だがルミエールの実態に驚いている様子)
  ・IMさん 3階の入居者 
   痴呆ではないので、男性職員らの粗暴な行動を証言する可能性あり
   (以前にNKケアワーカーから「入れ歯、取れよ」と怒鳴られ怖くて泣いた、
    旨を女性職員に訴えたことあり)
  ・ISさん 3階入居者 
   痴呆だが、職員の顔は覚えられる。本年5月末に「怖いお兄ちゃんに脅される」
   と訴える。NKケアワーカー(夜間専門のアルバイト)から煙草の火を近づけら
   れる等の虐待を受けているとの情報もある。
   ISさんはNKケアワーカーのことを「社長」と呼んでおり、その訳は夜の施設
   で、一番偉い人という意味から。    (別添メモ1頁下段)

(3)事情聴取すべき関係者
  ・理事長  長沼政幸
  ・施設長  長沼倭文子(理事)
  ・副施設長 鈴木則子(理事)
  ・主 任   HS
  ・主 任   SS
  ・ケアマネ IZ
  ・ソーシャルワーカー YY
  ・ 〃     YM

(4)調査すべき書類など
@3階の介護日誌
 3階詰め所の、向かって右側のロッカーの中に収納。
 平成16年6月19日の部分にBさんの「頭頂部が変色」の記載あり。
 また同詰め所、向かって正面の棚に個人記録があり、それにも同様の記載あり。
 (本年8月22日時点で記載の事実を確認)

  A事情聴取の記録
 Tケアワーカーの直訴に端を発した形で、鈴木則子副施設長ら3名は、
 本年8月10日過ぎから断続的にケアワーカーらに虐待問題の事情聴取を行い、
 多くの職員が虐待の事実を証言している。
 その際、鈴木則子副施設長およびSS主任の両名はそれぞれノートに職員らの証言を記録
 している。
 当組合はこのノートの保管場所を知らないが、おそらく鈴木、SS両名が施設内に保管し
 ているのは間違いないと思われる。このノートを提出させ、内容を調査すべきである。

  B投書内容の記録
 多くの職員が投書しているにもかかわらず、施設長は札幌市に対し「虐待はなかった」
 と報告している。
 投書は職員の「人権を守る」という名目でシュレッダーにかけられているが、その内容
 はパソコンに記録していると説明されている。
 投書の内容が改ざんされていないか、上記の関係者が書いた投書内容と照合すべきであ
 る。(パソコンの特定は把握していない。)

  C実習記録
 実習生らが書き込むノート。
 虐待を見たことを示唆する記載の可能性あり。
 3階の談話室(相談員室)にあると思われる。
 YM相談員が管理している。

  4.その他の問題点
(1)研修を殆ど受けさせない
   新人に対する熟練労働者からの指導が無い。
   新人職員の多くは新人研修の際に、先輩職員の虐待行為を目の当たりにし、
   他の職員に「あんなことして、いいんですか」と疑問を感じている。

(2)不安定な雇用を多用
   低賃金で雇用することを最優先に、あえて未経験者、若年者らを雇用する。
   さらに雇用形態は何時でも短期でかつ合法的に首を切れる状態を維持するために、
   有期雇用(1年)や派遣労働者となっている。
   翌年の契約更新の有無が、いわば「人質」に取られているような不安定雇用は、
   上司や施設長の意に沿わないことは言わないようにしようという自己規制を生む。
   施設長をはじめとする上司らが、なかば虐待を黙認する状況下で、不安定雇用のケア
   ワーカーが堂々と虐待を行う先輩を注意することは不可能に近い。
   物言えぬ不安定雇用労働者が多かったことは、虐待問題隠蔽の温床となった。

(3)不適切な支出
   就労実態の殆どない鈴木副施設長に対し、勤務実態にそぐわない賃金が支払いわれ
   ている疑いがある。
   鈴木副施設長は通常、月に2〜3回の勤務実態であり普段は長沼政幸理事長の経営
   する札幌ロイヤル病院で経理業務などに就いていると推測される。

  (4)不正請求の疑い
   風邪で休んでいるケースや、ラジオ体操の場に車椅子で連れてきて只、いるだけの
   ケースでも介護保険の請求にリハビリ加算を上乗せしている疑いがある。
   これは、ルミエールの元看護師・NKさんの証言を得ることが可能。

5.内部告発者を保護する必要性について
(1)過去に見せしめ的な解雇
  ルミエールにおいては、過去に施設長に批判的だった労働者に対し次のような解雇事件
   (雇い止め)が発生している。

・平成14年9月  パート職員のHK氏を「過去の病歴を隠した」として解雇。
 HK氏は虐待などの根絶を願って組合を結成した当事者。
 (同人は介護新聞04.2.12付けに「虐待問題に関する提言」を投稿している)

・平成16年4月9日  真面目で仕事熱心とまわりから評価を得ていた派遣労働者・HM氏
 を「契約満了」として派遣会社を通じ雇い止め。
 HM氏は派遣で初めて組合に加入した人物。
 派遣労働者でも施設長が気に入れば雇用期間の制限を越えて、働き続けているケースが
 2例ある。

・平成16年4月20日  パート契約の看護師・NK氏を「期間満了」で雇い止め。
 NK氏はルミエールのリハビリに不正請求があるのではと、上司に質問していた。

(2)内部告発者の保護は、今後の虐待防止の鍵
  本件虐待問題を積極的に証言しようとしている労働者のなかには、有期雇用(1年)の
  パートや、更に身分が不安定な派遣労働者、試用期間中の労働者などが6名程含まれ
  ています。
  この方々が真実を証言することは、どれほど勇気が必要なことか、当事者たちの身に
  なってよく考えて頂きたい。
  貴職による指導が万が一中途半端なものに終った場合、彼女らの多くは、前例を持ち
  出すまでもなくルミエールで働き続けることが困難となることは火を見るよりも明ら
  かです。
  そのような事態となった場合、介護現場からの内部告発は二度と起きないでしょう。
  道警や三菱自動車工業の例を持ち出すまでもなく、内部告発は組織内の不祥事を正す
  最も有効な手段です。
  とりわけ、介護現場における内部告発は事業主による不正行為の摘発にとどまらず、
  利用者の人権擁護に直結します。
  つきましては、本件虐待問題にかかわる内部告発者らが不利益を被ることの無いよ
  う、貴職として最大限の努力をしていただきたい。

6.抜本的な解決のための強力な指導を求めます
 この中で縷々述べてきた虐待問題は、たまたま6月27日の虐待現場の現認に端を発して
 いますが、調査を進めれば進めるほど明らかとなってくるのは、ルミエールにおける利用
 者虐待が、実はかなり以前からそれも日常的に行われていたことが伺われます。
 そこから見えてくるものは、経営者や管理職らの超・無責任とも言うべき姿勢です。
 そこには、儲け優先一辺倒で福祉理念のかけらも見出せません。
 一方で介護現場を預かる労働者は、自らが誇りをもてる介護職としての教育や待遇を殆ど
 受けられず、経営者から粗雑に扱われてきた経緯があります。
 そして、その不満の捌け口に、物言えぬ高齢者たちに対する、おぞましい虐待が行われる
 のです。
 すなわち、本件虐待問題は社会福祉法人公和会による構造的なものであり、起こるべくし
 て起きた虐待事件であると言わざるを得ません。
 虐待の実行行為者が処分されるのは止むを得ないとして、多数の虐待の報告を得ながら
 も、利用者を日々恐怖の中に放置し続けた経営陣は、虐待の実行犯以上にその管理責任
 を問われなければなりません。
 ついては、施設長の交代は言うまでもなく、理事会の刷新、行政経験者や他施設で経験
 を積んだ責任感の強い管理職層の配置など、抜本的な対策を札幌市主導の上で講ずる
 べきです。
 現経営陣らが事の重大性を認識せず、抜本的な改善に協力しない場合は、一旦は介護
 保険指定事業所の指定を取り消すことなども視野に入れ、札幌市として強力な指導力を
 発揮していただくことを要請します。

7.添付資料
 資 料1. 3階のケアワーカー(パート)T作成のメモ8枚
  〃 2. 3階のケアワーカー(パート)S作成のメモ2枚
  〃 3. 元看護師(パート・4月に雇い止め)NK作成のメモ3種

 以  上