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水無月慧子の冗漫なエッセイ

「その5 間の悪い大吉」

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な、なんと、くじ運の悪い水無月が「大吉」を引き当てました!
時は2008年9月15日、某神社の例大祭でのこと。
家の近所にある、鳥居だけがやけに立派な小さい神社でのくじ引きで、その奇跡は起きたのでした。

例年は神社へお参りしてくじ引きだけして帰宅するので、少々重いものが当たっても大丈夫。
「大吉」はお米5キロ。いつもそれを狙ってくじ引くんですけど、当たるのは決まって「末吉」。ティッシュペーパーの箱1つ。

そんなわけなので、今年もそうだろうと思い、神社の帰りにその足でお出かけすることにしました。
ティッシュの箱ひとつが入りそうな小振りのエコバックさげて。で、お賽銭箱にフンパツして500円玉を投げ入れ、(どうせここの神様、水無月のお願いなんて無視し続けてるんだから)などと不遜なことを思いつつ、一応お願いごとをしました。
テントの中のくじ引き所へ行って、(ティッシュなら軽いから、多少遠くまで徒歩で行っても問題ないわい)と心をすでに次の目的地に飛ばしながら、くじ引きの箱に片手つっこんで最初に指先にふれた三角の紙を取り出して係のおじさん(←おじさんって、なれなれしく名づけてしまったけど、氏子総代かもしれない!)に、「はい」と渡したのでした。
「おっ、これはなにか当たっていそうだよ」とおじさん。
(そりゃ、カラくじはないんだから、いつものティッシュが当たってるんだろうさ)と考えていると、おじさん、「おおっ!」とのけぞった。

「大吉! 大吉!!」

おじさん、声を張り上げる。境内にいたひとたちが、「おおっ」と振り向く。
しかし、当の水無月は、(げっ。なんでこれから遠方に出かけるっていうときに……)と戸惑う。なにしろ、大吉だよ、大吉。それに米5キロっつったら、およそ2000円。うーん、ど、どうしよう。とはいえ、5キロ担いで次の目的地まで歩くのは無理、無理。といって、バスは通っていないところだし、タクシーに乗るのもなんだか……。

「今、レジ袋(←有難みが薄れる言葉だな)に入れるからねー」と、興奮しているおじさん。
「あの、このお米、ご奉納させていただきます」。ふとそんな言葉が水無月の口から出たと思ってください。べつに信心深いわけじゃないです。ただ、季節はずれの炎天下、日傘さして5キロの荷物担いで歩くのが億劫だっただけなんですが。
「ええっ!」と、いちいち過剰反応するおじさんが、またのけぞった。
「ご奉納なさるんですか? ホントに?」
「はい」
「せめて、お名前を」
「いえ、そんなたいそうな名前ではありませんので」
「……そうですか。では、たしかにご奉納させていただきます。かわりにせめてこれをお持ちなさい」
(げっ。またティッシュ1箱かよ。そこに5箱セットがあるだろ。あれぐらい寄越せよ)
 と、神様の庭先でまたまた不遜なことを考える水無月。「大吉」と赤いゴム印が押された抽選の紙をお土産に颯爽と(←ほんとは5キロ米に未練があったのですが)玉砂利を踏みしめる水無月でありました。

おじさん、本当に奉納してくれたんでしょうな(←一抹の不安)。

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