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エッセイバックナンバー一覧

水無月慧子の冗漫なエッセイ

「その8 午前0時50分起床のわけは」

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先月の終盤のある日。すご〜く、怖い夢を見ました。しかも、やけにストーリー性のある夢で、SFパニック映画ふうでした。

細かいところは覚えていませんが、水無月は学生時代に戻っていて、何人かの女友達と楽しいキャンパスライフを謳歌していました。ところが! よく知っている男子学生が、なぜか突然、天をつく大男に変貌して、校舎は破壊するわ、街中に出て、建物を壊しながら水無月達はもちろん、街のひとたちを追いかけて来るのです! 足音とか、地響きとか、それはリアルに感じられて、ひたすら逃げ惑っているうちに、街の中の誰かが、汽車で逃げようとまわりに声をかけてくださり、みんなで急いでJRの駅へ。駅員さんは、この事態あることを予測していたかのような落ち着いた誘導。しかし、汽車の中はお見合いバスみたいなつくりで、スピードが遅い。車掌さんが頻繁に巨人と化した男子学生が現在どのあたりまで迫っているか報告してくださる。ああ、だんだん近づいてくる。追いつかれる〜。……っというところで、カパッと目が開いたのでした。

心臓ばくばく。とりあえず、必要はなかったけど、トイレへ行って、茶の間に戻って来ました。そのまままた寝床に入ろうかなと思うものの、どうも、さっきの夢の「続編」を見そうな恐怖を感じました。

時間は午前0時50分。起きるには少し早いけど、ま、朝食前に仕事とか勉強とか趣味に時間を当てて、午後からお昼寝すれば帳尻は合うか。そう考え、善は急げと着替えをすませ、ポータブル電気ストーブを茶の間に持ち込んで(この石油高騰のおりから、まさかこんな「早朝」から家用の石油ストーブを自分一人の為につけるわけにはいかないのだ)、足元温めながら、「あ、そういえば、昨日の夕刊読んでなかったっけ」と思いだした水無月。

物置に積んである古新聞の一番上に乗っている夕刊をひょいとつまんで茶の間に。せっかくだから、コーヒーを飲みながら優雅にページをめくりました。 

んー? なんか妙に気を引く記事があるじゃん。要約すると――。

『マドリードのプラド美術館は、ゴヤの作品として展示してきた「巨人」が、実は弟子のフリアが描いた可能性が強いと発表』

記事にはゴヤ作とされてきた「巨人」の絵がフルカラーで結構大きく出ているではないか。

お尻のあたりに雲をまとった裸の巨人がファイティングポーズをとっていて、手前のほうはゴチャゴチャしてよくわからないけど、多分、逃げ惑う人間たちが描かれているらしい。

……んー? デジャヴー。いや、デジャヴーというほど上等なものではない。

この絵だ。水無月、この夕刊読んでたんだ、途中まで。……ってことは、この絵だな、あの悪夢の正体は! 寝る前にこんなもの見たから、夢に出て来たんじゃないか! ゆ、許せん!

観るひとをなごませたり楽しませたりするのが絵画ではないのか! 芸術ではないのか!

……いや、違うな。

エンターテイメント小説や映画なら、読者、視聴者を意識してつくられるのだろう。しかし! なんか絵画の場合は自分の描きたいもの描いてるって感じ。

ゴヤだか弟子のフリアだか知らないけど、ひとの安眠妨害するような絵を遺すなーっ!!

(2009/2/7/Sat.)

せっかくなので掲示板に一言コメントを書いていく

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