物理IA授業実践報告

2学期中間考査試験範囲 波動分野


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実践概略

 生徒の興味関心が最も高まる分野であった。日常生活と関係の深い光と音について、伝播、反射、屈折、波長、振動数などの基本的性質を理解させることがねらいである。波動の基礎を含めた光の学習と、楽器の構造を中心とした音の学習の2つの分野に大きく分け、全く別な現象と考えがちな光と音に関して、波動という統一性を持って指導することに重点を置き、数多くの実験や実習などを実施した。簡易分光器を使ったスペクトル・巨大シャボン玉・牛乳パックカメラ・スプーンを使った凸面鏡の観察、光学台を使っての倍率の測定(これは物理IBの範囲)、輪ゴムギターや空き缶笛・ストロー笛の製作などを通し、様々な身の回りの現象の中の波動に関する物理法則を学習した。最後の時間にはパソコン室にて音波のデジタル録音とそのフーリエ変換を実施し、すべての波動は基本的な波の重ね合わせで表現できることを学習のまとめとした。

【授業報告】


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裏読物とは授業プリントの裏面に刷ってある読み物です。
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 1:波動分野ガイダンス
 2:人工的な色と自然の色
 3:虹とシャボン玉
 4:凸レンズ・実像と虚像
 5:カメラと目の構造
 6:凹面鏡と平面鏡
 7:音の基本事項
 8:弦楽器(ギター)のしくみ
 9:管楽器(閉管)のしくみ
 10:管楽器(開管)のしくみ
 11:うなりと音色
 12:2学期中間考査








 

《第1回 波動分野ガイダンス》

(裏読物:人工色の3原色)


プロジェクターで色の3原色





授業内容
1.講義:この分野で何を学習するのか
2.講義:アンケート:波動分野で興味のある項目
3.講義:波動に関する基礎知識(波の速さ=振動数×波長)
4.講義:波の性質(屈折・反射・干渉・回折・分散・散乱)
5.講義:波の成分(自然は7色・テレビは3色・音はイコライザーで見る)
6.実習:視聴覚室の3色プロジェクターの投影

教諭コメント

授業の後半は、視聴覚室へ全員移動。3色の大型プロジェクターがあり、赤・青・緑のライトがついています。あらかじめ8ミリビデオで撮影しておいた7色 ・写真を赤を板で隠して見る、青を隠す、緑と青を隠す・・・・という感じで、全ての色がこの3色で表現されていることを学習します。色の3原色はこれで一発ですね。あと我が家のステレオのグラフィックイコライザーの動きを撮影したビデオも見せます。全ての音が基本的な成分に分かれていることがわかります。

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《第2回 人工的な色と自然の色》

(裏読物:電磁波の利用)

簡易分光器で太陽光を観察




授業内容
1.実習:テレビ画面をルーペで見る
2.演示:白色光をプリズムで分光
3.実験:さまざまな光を簡易分光器で観察
   太陽光・蛍光灯・水銀灯・カドミウム・ナトリウム・水素
4.実験:緑セロハンをはった懐中電灯を分光器で観察
5.講義:緑が見える=緑だけがきている?
6.講義:電磁波の種類とその利用
7.演示:ブラックライトで蛍光物質を塗ったスリンキーを見る
    赤外線リモコンを8ミリビデオで見る

教師コメント

授業の始まる前、物理室へ移動してくる生徒に次々ルーペを渡して、テレビを見てもらいます。赤緑青の3原色の復習ですね。簡易分光器はレプリカを張った暗箱を使用しました。水素のスペクトル管の放電は、自作の分解テレビの放電を使いました。ファラデーのかごにも拡張できます。ブラックライトがともる中、石黒ホーマのレインボースプリング(スリンキーのプラスチック製・蛍光塗料が塗ってある)のゆらめきに、感動していた生徒もたくさんいました。

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《第3回 虹とシャボン玉》

(裏読物:実習で使用する波の干渉の図)

巨大シャボン玉づくり




授業内容
1.演示:光の屈折(空気から水へ)
2.演示:白色光の分光(プリズム)・・赤と紫どちらが曲がる?
3.演示:ガラスビーズで虹を見る
4.講義:虹の見えるしくみ
5.演示:巨大シャボン玉・・・7色の観察
6.演示:波の干渉(OHPに水波投影機で干渉縞)
7.実習:裏読物の干渉縞に山・谷に線をつける
8.講義:シャボン玉が7色に色づくわけ



教師コメント
アンケートの結果、1番生徒が知りたいといっていた分野です。せんたくのりはダイエーがいいとか。確かに生協のせんたくのりでは大きくなりません。授業が終わってからも生徒達が物理教室で遊んでいました。しかし、南茅部高校には年期の入った水波投影機があるもんです。昭和30年製です。

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《第4回 凸レンズ 実像と虚像》

(裏読物:凸レンズ 実像と虚像)

牛乳パックカメラ





授業内容
1.実習:凹レンズと凸レンズで観察
2.講義:レンズの基本事項(光軸・焦点・焦点距離・口径)
3.実験:光学台使用・・近くの光源から焦点距離の測定〜ずれる=なぜ?
4.実験:光学台使用・・遠く教壇からの光源から焦点距離の測定
5.講義:実像の見えるしくみ
6.実習:自作牛乳パックカメラ(f=10cm)で観察
7.講義:虚像の見えるしくみ
8.演示:天体望遠鏡の分解(対物レンズと接眼レンズの役割)
9.講義:色収差・色消しレンズ・望遠鏡の歴史
教師コメント
牛乳パックカメラは前任校の生徒達が作ったものを使用しました。かなり、鮮明にスクリーンに外の景色が写ります。光学台は各班1台あたります。先生用にも3台 高級なものがそろっています。結構贅沢な環境です。天体望遠鏡も分解してしまいました。欲しがる生徒がいっぱいいます。私も小さなとき望遠鏡が欲しかった。 色収差・色消しレンズについては、教科書の扉写真を活用しました。

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《第5回 カメラと目の構造》

(裏読物:望遠鏡の歴史・眼鏡)

光学台で焦点距離の測定




授業内容
1.実験:光学台を使った実験〜1/a+1/b=1/fの算出
2.実験:光学台を使った実験〜倍率の測定 m=a/bの算出
3.講義:目の構造・カメラの構造
4.講義:近視と遠視〜近眼の人の眼鏡で光を集めることができるか?
5.講義:屈折率の説明(軽く)
教師コメント
光学台を使った実験は、どちらかといえば物理IBの内容です。でもカメラのしくみを理解する上でも大変重要ですし、なんといっても各班1台あるのですからやってみなくちゃいけません。大丈夫かな、という予想が多いにはずれ、真剣に測定している生徒達の姿は、是非ビデオにとっておきたかったですね。公式は結構簡単に生徒達が予想していました。

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《第6回 凹面鏡と平面鏡》

(裏読物:逃げ水・蜃気楼)

スプーンで凹面鏡





授業内容
1.演示:反射の法則〜鏡にレーザー・テレビのリモコンを鏡にあててつける
2.演示:アクリル鏡を曲げて光を集める
3.講義・凹面鏡の各部の名称
4.実験:スプーンで自分を観察〜焦点の外の自分はさかさま=実像
5.実験:スプーンを目につける〜焦点の内の自分はそのまま=虚像
6. 講義:平面鏡=焦点距離が無限に遠い凹面鏡
7. 実験:平面鏡の中の自分は実像か虚像か?〜1m離れた自分をカメラで撮影
                    =ピントは2mであう


教師コメント
スプーンは1つ¥100のものを全員に配ります。必ず念力を試す生徒がいます。あと2つのスプーンを持って、目にあてて「ウルトラマン!!」おいおい。スプーンに逆さまに写った自分を見て、不思議がることしきり。なぜなんでしょうね?実像と虚像の違いはわかってくれたかなあ?凸面鏡についてはふれませんでした。

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《第7回 音の基本事項》

(裏読物:可聴域)

ドレミの波長を測れ!





授業内容
1.講義:音の基本事項(疎と密・音の速さの公式・振動数の変化=音程の変化)
2.実習:縦波の横波表示〜山が密ではない!!
3.演示:可聴域を測る(20〜20000Hzまでを聞かせる)→コウモリの話
4.実験:ドレミをシンセでならす=低周波発振器でチューニング゙をして振動数を出す
    =今日の温度から音の速さを出して、ドレミの波長を計算する
    =同時にオシロにつないで波長を目盛りで読み取る
5.講義:振動数と波長のドレミの比率の計算
教師コメント
低周波発振器がうちは真空管型のもので、めもりもガタがきています。そこで函館中部高校から前日の夕方借りてきました。シンセは手持ちのポケットサイズのものを使っています。非常にお手軽で、今後音色の辺りで大活躍しそうです。オシロの読み取りやチューニングは各班2名ずつ教壇に出てもらって測定結果をみんなに教えてもらいました。各テーブルから「あまい!あまい!」チューニングはやっぱりバンドをやっている生徒が上手なようです。

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《第8回 弦楽器(ギター)のしくみ》

(裏読物:ギターができるまで)

聞こえる?輪ゴムギター





授業内容
1.演示:あんま機にたこ糸で定常波
2.講義:定常波の波長(腹〜節の4倍が波長)
3.演示:エレキベースを持ってきて→音程を高くするには?→弦の長さ・太さ・張りについて
4.実験:輪ゴムギターの作成(割り箸、マッチ棒、輪ゴム・・・ド=18cm)
5.演示:光でドレミ(ペットボトルの縞々パターンをフォトダイオードでひろう)
6.演示:円形の定常波=ステンレスボールの噴水

教師コメント
あんま機で定常波は、生徒にやってもらいます。微妙な緩め加減で2倍・3倍・4倍と変化していきます。エレキベースは自前の物を使用。ちょっと演奏会をしてしまいました。光でドレミは科学技術体験マニュアルvol.2にものっていますので、ぜひ作ってみて下さい。ドレミの波長のしくみが一発でわかります。ステンレスボールの噴水は低周波発振器+スピーカー+ポリカップをへりを切断した大きめのボールの端にあてて、波長がちょうど円周で割り切れたとき、噴水がおきます。

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《第9回 管楽器(空き缶笛)のしくみ1》


(裏:実習→ジャバラホース使用の実験プリント)

ペットボトルでドレミ





授業内容
1.演示:ペットボトル(水入り)とアクリルパイプに音叉 → 簡単な気柱共鳴
2.実験:全員で空き缶笛の作成(ストローと空き缶)
3.演示:あんま機にたけひご → 3倍振動の観察
4. 演示:クント管(コーヒー豆の入ったアクリルパイプ+ジョウゴをつけたスピーカー→定常波)
5.実習:ペットボトルに水(上から18・16・・・9cm)→ドレミの共鳴
6. 実験:ワイングラスの共鳴(各班1つずつ)〜水の深さと音程の関係
教師コメント
ここは閉管楽器がテーマです。残念ながらうちには気柱共鳴装置は1つしかありません。そこでペットボトルとアクリルパイプでまず基本振動の共鳴、続いて3倍振動の共鳴を聞かせます。ここがつかみですね。本当に不思議がります。少し理屈を説明した後に空き缶笛を作り、管の中の定常波のできかたを説明するために、たけひご・クント管を使います。試験管笛も考えましたが、ちょっと小さいのでおおきなペットボトルでドレミを作ってもらいました。ワイングラスは私の故郷のふらのワインのグラスを使っています


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《第10回 管楽器(トランペット)のしくみ2》


(裏読み物:実験レポート用紙)

まわせ!ジャバラホース





授業内容
1.演示:開管のジャバラホースをまわす→回し方によって4つの音程が出る
2.実習:4つの音程の計算
   2倍・3倍・4倍・5倍振動の図からそれぞれの波長の計算
   今日の温度から音速の計算 → 振動数の計算
   低周波発振器で確認 →開口端補正の話
3.実験:ストロー笛をつくる → 鳴ったらボーナスポイント!!
教師コメント
ジャバラホースを使って、4つの音程(ド→ソ→ド→ミ) の原因を探ります。振動数が計算とあわないのは、口のとこ ろの開口端補正がうまくいっていないからです。でもそこまで 厳密なものでもありません。キチンとドソドミが出るんですから。 ストロー笛はみんな一生懸命やっていましたね。 画びょうで穴をあけて、ドレミを鳴らすのに挑戦していた生徒も出てきて、 いい感じです。

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《第11回 うなりと音色・ドップラー効果》


パソコン室にて


(裏読み物:衝撃波)

パソコン画面を見る





授業内容
1.演示:エレキベースでうなり=ベストなチュ−ニングをするには
2.パソコン:うなりの説明
3.パソコン:音をつくる(基本音・倍音を見ながら混ぜて複雑な波形をつくる)
4.パソコン:ドの波形を見る(フルート・トランペット・オルガン)
5.パソコン:周波数分解(フーリエ変換)して、倍音の成分を調べる
6.パソコン:円運動→単振動を見て位相差について学ぶ
7.パソコン:縦波・横波の変換を見る
8.パソコン:管の中の定常波の動きを縦波表示・横波表示で見る
9.パソコン:ドップラー効果と衝撃波
教師コメント
パソコンの重要性はいうまでもありませんが、実験室で再現できるものは、できるだけ見せたいといつも思っています。音・光分野をすべて学習した後、その総合的なまとめとして、画像の動きを使う方が一番効果が上がります。また、音色の学習は、実験室ではかなり再現が難しく、倍音を混ぜていく過程はパソコンでないと表現できません。パソコンはメインではありません。理解を助ける道具なのです。ソフトは前の森北出版の「音と運動の実験室」を使用しました。

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