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ごあいさつ
函館大会実行委員長 徳永 好治
(北海道教育大学函館校教育学部長)
「実験は何のためにどのようなときにおこなうのか」 この問を大学生に提示して短い文章回答を求めました。回答のほぼ8割は一様に次のような実験観でした。
教科書(教師の説明、板書)で示される内容(法則、知識、用語)だけでは理解することが難しいので、その内容を視覚(五感、体験、百聞は一見に如かず)によって確実に理解(納得)するために実験をおこなう。
このような実験観を私は「理解主義的実験観」と名付け、私は、君たちがこのような実験観だけで授業をすると教えられる子どもたちも同じ様な理解主義的実験観をもち、そして子どもたちは理科嫌いの道へ進んでしまう、という話をしています。教科書の内容には「正しい」「真理である」との強要的なはたらきがあるので、理解主義的実験観では、実験の前に子どもたちの主体的なわくわくするような予想が生まれにくく、又予想における感動的な失敗も体験できない場合が多いのです。まず自然の事象(教材化された自然事象)があって、それに接した子どもたちが不思議や感動の思いを抱き、探求心や学びの意欲をもってさらに実験にかかわり、発見する喜びを体験することがとても大事なのではないでしょうか。
今回、函館で開催される「青少年のための科学の祭典」は、小学生、中学生、高校生に楽しく驚き一杯の実験を見せて、科学に対する興味・関心そして夢を育むことを目的にしています。無意識に見過ごしてしまう日常の自然からは子どもたちはなかなか不思議さを意識できないものです。この祭典での様々な出し物は、すべての子どもたちが「なぜ?」と疑問をもち、科学的な視点で探求できるような典型的な自然事象(科学の手を加えた自然事象とでも言えるでしょうか)が用意されています。マジックではないのです。
今年の「科学の祭典」は日本開催として8年目、北海道開催として7年目ですが、来場者も科学の楽しさに共感して生き生きとすすんで活動に加わり熱気に包まれたというこれまでの祭典がこの函館で再現できれば、函館の子どもたちそして函館の教育と文化に大きな財産を残すことになるでしょう。函館には科学博物館や水族館がありません。日本の既存の科学博物館といえどもロンドン科学博物館、ミュンヘンのドイツ博物館やパリの発見宮殿には遠く及ばないと思っています。今回の「科学の祭典」を契機にして青少年のための科学の環境が充実発展することも期待したいと思います。