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マッスルパワーをホタテで体験

−筋肉がのびちぢみするしくみをじっさいに見てみましょう−

執筆者:北海道大学水産学部学生、吉田和歌子さん、二木知美さん



なんの実験かな?
私たちは、ふだんなにげなくいきをしたり、歩いたり、手でものをもったりしています。これは、体じゅうの筋肉をたくみにのばしたりちぢませたりしてできることなのです。いったいどのようにして筋肉がのびちぢみしているのか、今回は身近な生き物のホタテ貝を使って、そのしくみについて考えてみましょう。



よういするもの

ホタテ貝、油絵用のへら、ピンセット、
カッター、新聞紙、筋原繊維(きんげんせんい)、
生理食塩水、アデノシン三リン酸(ATP)、塩化カルシウム、


やり方

1. 自分の力で貝を開けられるかはじめにやってみましょう。
2. 貝のすきまからへらをさしこんで平滑筋(へいかつきん)をはがしてみましょう.







3. 横紋筋(おうもんきん)もはがして貝を開き、上の外套膜(がいとうまく)とエラを取りのぞきましょう。
4. ホタテの体全体をかんさつしてみましょう。
5. 貝柱を取り出して筋肉のせんいのかたちをかんさつしてみましょう。
6. 試験管内で筋原繊維(きんげんせんい)に筋肉を動かすエネルギー(ATP)を加えて、じっさいにちぢんでゆくようすをかんさつしてみましょう。

不思議はどこだ

1. ホタテの貝が閉じるとき、どの部分が動くのでしょうか。

2. その筋肉はどういうつくりになっているのでしょうか。

3. 筋肉はどういうしくみでのびちぢみするのでしょうか。



考え方

1. 筋肉は筋原繊維(きんげんせんい)という細いせんいのたばからできています。さらにこのせんいは、アクチンというタンパク質を主にふくむさらに細いせんいと、ミオシンというタンパク質を主にふくむ太いせんいからできています。

2. 筋原繊維(きんげんせんい)は、筋肉をうごかすエネルギー(ATP)を使うことによって細いせんいと太いせんいがたがいにすべりこむように結合します。つまりこの筋原繊維(きんげんせんい)ひとつひとつがちぢむことによって、筋肉全体がちぢんでいるように見えるのです。


実験のカンどころ

1. 生きているホタテでなければ貝柱がちぢむようすは見られません。貝からはがすときはていねいにやりましょう。

2. エネルギー(ATP)を加えすぎると、筋原繊維(きんげんせんい)がとけてしまってちぢむようすが見られなくなるので注意しましょう。

3. 実験で使う筋原繊維(きんげんせんい)は、筋肉の中のよぶんな成分を取りのぞくために、筋肉をこまかくくだき生理的塩溶液(せいりてきえんようえき)で何回か洗ったあと、ふたたび生理的塩溶液とまぜあわせたものを使います。

もっと知りたい人へ

「レーニンジャーの新生化学 下 第2版」
 廣川書店