《1-1 座:ガイダンス・元素・単体・化合物》
今年1年間の化学IBの授業の進め方と評価の 出し方を説明します。毎回プリントを提出し、ABC の段階をつけて返却します。すべてAなら平常点 30点分としてし、定期テストは0.7倍して平 常点の30点をあわせて評価をつけることを説明 しました。それから早速演示。ロウソクを燃焼し 水と二酸化炭素が検出される事からロウは炭素と 水素が成分元素であることを示します。元素は教 科書の挿し絵で説明。授業の最後に炎色反応(銅 の緑とリチウムの赤)を見せて、成分元素は比較的簡 単にわかることを気づかせます。単体と化合物の 定義もふれました。
《1-2 実:単体・同素体》
同素体について説明した後、ゴム状硫黄を作り ます。硫黄を大きい試験管に半分くらい入れて、 バーナーで強熱する。溶けて固まり又溶ける。そ の後ビーカーに入れ水で急冷。きれいなゴム状硫 黄ができます。4人1組10セット用意しました。 ガスバーナーの付け方にやはり手間取りました。どう しても空気を入れてくれません。斜方硫黄・単斜 硫黄は教育テレビのビデオで代替しました。
《1-3 座:純物質、混合物、分離の種類》
純物質、混合物を説明。リービッヒ冷却器(見 せるだけ)、分液漏斗を出して演示しました。ヨ ウ素1かけらを蒸留水を入れた試験管の中へ。バ ーナーで熱するとすぐ昇華して紫色の液体になり ます。これを水とヨウ素分に分離するには、四塩 化炭素を入れてよく混ぜると、上に水、下にヨウ 素と化合した四塩化炭素へ分離します。それを分 液漏斗で下のヨウ素分だけ取り出すのです。液体 の密度の違いを利用して分離するんだよ。水と油 ならこいつですぐ分離できるね。吸着の演示も行 いました。ノンスメルの中の活性炭を漏斗に入れ、 メチレンブルーの溶液を漉過すると落ちてくるのは水のみで す。活性炭が色素を吸着して分離したんですね。 これで、足の臭い匂いもオゾイータで取るわけだ。フムフム。
《1-4 実:蒸留・濾過・クロマト ほか》
前回の授業を受けて生徒実験。硫酸銅と砂の混合 物を水に溶かし、ろ過して砂を分離。残った硫酸 銅水溶液を丸底フラスコにいれ、ガラス管付きゴ ムせんを介して水の入れたビーカーに浸した試験 管へ入れます。穏やかに熱すると水が蒸留されます。 演示でベンゼン:アセトン=7:3で展開液を作 り、大型試験管の中へ。緑色のマジックを展開さ せます。2色がスパッと展開します。展開中にナ フタレンと食塩の混合物をビーカーに入れガスバーナーであぶ り上にふたをした水入りの丸底フラスコにナフタレンの結晶 を付着させました。奇麗な結晶ですが、非常に臭 い。ベンゼンで洗うのはドラフトの中でやりました。 ん〜なんて化学は危険なんだろう。
《1-5 座:化合物の生成、化学の基礎法則》
硫酸6mol/ll+過酸化水素水10%+銅粉で硫酸銅水溶 液を作り、冷却して硫酸銅の結晶を成長させます。 漉過して硫酸銅のみを取り出し水で洗い落し、硫酸 銅水溶液を作ります。その中にスチールウールを入れ反応 させ付着した銅を観察、溶液が青から無色に変化し、 単体が取り出されるというしくみです。これらの演 示を通して、化合物の中の元素成分について考え、 続いて質量保存、気体反応、定比例、原子説、分子 説の説明をさらっといきました。ドルトン・ラボア ジェ ・アボガドロの生涯の話の方がおもしろかった かな?
《1-6 実:酸化銅の生成(定比例の法則)》
銅粉を各班に異なるように与え、まず上皿てんび んで重さを測ります。蒸発皿に入れて、電子天秤で 全体を測ります。バーナーで強熱してから、全体が 黒く酸化銅になって冷めてから、もう一度電子天秤 で測り、増加分を求めます。酸素/銅を各班ごとに 算出し、黒板に10個のデータを書いてもらいます。 グラフに整理し、直線を引きます。いや〜、小数の わり算がなかなか難しい。計算が目的ではないので、 電卓を持ってくればよかった。理論値からいけば0.25 なのですが、完全な酸化銅に達していないので、み んな0.15を出しました。でも、これで定比例の法則 はわかります。簡単だと思うでしょ?これがうまく いきません。なかなか定量実験には届きません。
《1-7 座:原子の構造、同位体、質量数》
原子の構造、質量数、同位体について講義。炭素 14を使った年代測定についての話の後、お決まり のK,L,M殻の話をしました。軌道については軽 くふれておきます。イオンへの伏線もかねて、電荷 のバランスと電子配置のバランスについても話してお きます。2,8,8はとりあえず覚えてもらいました。
《1-8 実:イオンの存在を確認する(電気泳動)》
ビーカー2つに硝酸カリウム水溶液を入れ、間にガ ラス板で橋渡しをします。クロマト用の濾紙を浸してガ ラス板にのせます。フェノールフタレインを濾紙にかけ、真ん 中に水酸化ナトリウムを毛細管で吸って、一滴たら します。炭素棒をビーカーに入れ、いざ直流200 V。スーッと赤く水酸化物イオンが+に引かれてい きます。直流電源は物理室に備え付けのものを使い ました。イオンの移動は時間がかかるので、実験概要図 は移動中に書かせました。
《1-9 座:イオン》
ここは演示はありません。原子が安定になろうと して、電子の出し入れが起こり、イオンが作られる。 後は多原子イオンの中の電子の総数を計算しました。 チョットつまらなかったかな?
《1-10 実:周期表と周期律》
やっぱりメンデレーエフの予言の話ですね。ここ は。周期表の基本を軽く説明した後、実際に13種 類の単体を持ち出し、周期表にはってもらいます。 水銀は瓶ごと全員に持ってもらって、その重たさを 実感してもらいました。先生!周期表を見ると金属 ばっかりだよ。okok!余った時間で周期律の確 かめとして原子半径、イオン化エネルギーが原子番号によっ てどのように変化するかをグラフに書いてもらいまし た。
《1-11 座:イオン結晶・イオン結合》
おなじみの塩化ナトリウムの結晶構造です。ポカ リスウェットの中には?を導入にして、食塩をルー ペで観察します。演示で塩化ナトリウムを作ります。 集気びんにさらし粉を入れ、希塩酸をそそいで、び んの中に塩素を発生させます。ナトリウムを燃焼さじにの せ、バーナーであぶる。それを塩素の中へ入れると 激しいオレンジ色の炎を上げて塩化ナトリウムが生成しま す。それを水で溶かし電気がつくことを確認します。
《1-12 実:共有結合》
なぜ電気的にバランスのとれたHが分子をつくらな ければならないのか?電子の持ち持ちの話しから、 水分子、アンモニア分子の構造を教え、電子式で書くと こうなる。ホラ簡単。までです。粘土とマッチ棒を使 って、全員で共有結合のモデルを作ります。価電子を マッチ棒にして、ペアが完成する様に共有結合してい くのです。メタン、二酸化炭素、窒素を電子式から 構造式で表し2重結合と3重結合もふれます。チョット 量が多かったかな?
《1-13 座:共有結合(構造式)、分子結晶》
盛りだくさんの前回の授業を構造式を含めて復習 します。その後分子結晶へ。三角フラスコを上下つ なげて、下にヨウ素をいれます。バーナーであぶる とたちまち昇華しはじめ、2つのフラスコの中に紫 の気体が拡散していきます。水に溶けるか、ベンゼ ンに溶けるか、かなりハッキリとベンゼンが紫にな るので、すごい、と反応はバッチリです。水に溶け た方は電気を通しません。あれ?塩化ナトリウムの ときはランプがついたのに。なぜ?ここが極性への 導入になるのです。
《1-14 実:イオン結晶・分子結晶の電気伝導性》
イオン結晶、分子結晶の固体・液体・気体は電気を 通すか。岩塩・氷砂糖・ロウ・水・エタノール・硝酸カリウム ・硫酸銅などなど。水溶液や加熱して液体にしたり してそれぞれの結晶の特性をまとめます。様々な物 質を使うので、準備が大変でしたけど、楽しそうに やってくれました。メインは硝酸カリウムの液体が電気を通 す実験です。固体ではつかないのにネ。この実験を 通して、イオン結晶・分子結晶の結合の違いを感じ取っ て欲しいのです。
《1-15 座:極性分子と電気陰性度》
布でこすったアクリル定規で水流は曲がるが、 ベンセン流は曲がらないことを確認。流れはビュレットで作り ました。そのあとことごとく溶ける溶けないを確かめ て、極性のあるなしを理解します。ナフタレン・食塩・ メタノール・四塩化炭素・ガスライターからブタンガス・まともに上 方置換で集めたアンモニア。アンモニアがフェノールフタレイン入りの水に ドンドン溶けていくのは圧巻です。分子全体では+−の バランスが保たれていても、部分的に見ると+、− の偏りがあります。これが水に溶ける、溶けないを解 く鍵になるのだ!少々S−P軌道の話もしましたが難し かったかな?
《1-16 実:共有結合の結晶と金属の結晶》
ダイヤ・黒鉛・水晶の話。持っている電子すべてが 共有結合しているんだもの。そりゃ固いはずです。 ではなぜ黒鉛(シャープペンの芯)は電気を通すのか?演 示でスライダックに芯をつなげてオレンジ色に光らせます。 実はこの中には電子がウジャウジャなのだ!炭素4本足 の内、3本しか使っていないんだよ。余っているの さ。粘土とマッチ棒で黒鉛の構造を全員で作ります。 授業の後半は金属。普段は実験器具を壊すな!と言 っているのに、今日はたたきまくれ!という実験で す。氷砂糖・硫酸銅・水晶の結晶をハンマーで叩きます。 鉛粒を与えてつぶします。展性を確かめるんですね。 最密充填の伏線もかねて、メスシリンダーと天秤を使って、 鉛の密度も計算します。何と水の10倍もある。水晶 の電気伝導性も確かめました。しかし全員がハンマーを 叩くとうるさいうるさい。発砲スチロール球を使って面心 立方格子と六方最密充填を組み立てて、見せたりと、 怒涛の快進撃です。文章で書くとものすごい量です が、演示と生徒実験の組み合わせでテンポよくやっ ています。
《2-1 座:原子量・分子量・物質量》
さて、今日からmolの話です。生徒達にはmolを 制するものは化学を制すると言っておいて、今日 の演示実験は、ゴマ・米・小豆・大豆を100粒 数えて、それぞれの質量を測り、ゴマを1.00とし たときのそれぞれの相対質量を算出します。生徒 を指名して100粒数えてもらいますがフーフー。原 子の世界の基準は6のあとに0が23個もくる数を 扱うんだよ。何か基準がないとやってられないね。 ゴマに相当するのが、炭素だ!この演示を受けて、 原子量・分子量の話です。分子量の計算は慣れて くれたかな?炭素を基準とするとすべてがうまく いく、酸素を100にした時代もあったんだよ。
《2-2 実:常温常圧の気体1molの体積》
二酸化炭素ボンベ・酸素ボンベ・ブタンガス(卓上コンロ 用カセットボンベ)合計10本。水上置換でメスシリンダーに0.2 リットルとり、前後の質量差から、分子量がわかって いるとして、その気体1molの体積がおよそ22.4リットル を計算します。だいたいいい値が出ました。し かし0.2リットルが難しい。何度も測りなおした班もあ って、少々ブタンガス臭くなってしまいました。比率 の計算もなかなかしんどいですね。
《2-3 座:物質量と質量・個数・体積の関係》
アンモニア17g:1mol:22.4l=?g:0.5mol:?l の比率の学習です。ここんとこが生徒が大変苦手 とするところ。じっくりやりました。モル濃度は実 際にメスフラスコを教室へ持っていって、食塩水1mol/ lはこうやって作る!を演示。ほんとに薄いひょう 線が微妙なラインです。
《2-4 実:化学反応式の意味(水素の発生)》
ふたまた試験管に各班バラバラのマグネシウムリボンと希 塩酸を入れます。久しぶりの定量実験。水素はメスシリンダー で水上置換で捕まえます。リボンの長さと出て くる水素はあるところまでは比例するが打ち止めが ある。塩酸の側に水素の素がなくなってしまったか らです。これが化学反応式の導入になります。
《2-5 座:化学反応式の作り方》
中2で学習した反応式も今は忘却の彼方へ・・・。 ゆっくり水の反応式から入って、未定係数法は使 わなくても、丸・三角・四角のモデルを使って係数を決めて いきます。メタンが燃えて二酸化炭素と水ができるは 全員できました。
《2-6 実:化学反応式の係数の意味》
化学反応式からCaCO31molでCO2は1mol出て きます。本当?炭酸カルシウムは分子量がちょうど100。 コニカルビーカーに希塩酸を十分入れて、炭酸カルシウムを2g =0.02mol入れます。総質量を電子天秤ではかり、 塩酸と反応させて二酸化炭素がシュワ!減った量 は0.88g=CO2で0.02mol。ほら反応式は正しいよ。 全班バッチリでした。
《2-7 座:化学反応の表す意味》
ここも比率の問題。生徒は大変いやがります。 窒素7gからアンモニアは何gできる?へ?じっくりじっ くりね。授業の最後に化学反応の沈殿を炭酸ナトリウム +硝酸カルシウムを混ぜて(硝酸カルシウムの濃度を変えて )沈殿量がある高さから打ち止めになることを見 せました。水素の発生の実験と同じことです。
《2-8 実:熱運動と拡散》
メスシリンダーにフェノールフタレインをくぐらせたろ紙を入れ ます。サランラップでふたをして脱脂綿につけたアンモニア を拡散させます。だんだんと赤い染みが奥の方へ ひろがります。それと水の中に過マンガン酸カリウムをこ さじ1杯を入れ、だんだんと上の方へ広がってい く様子も合わせて観察しました。
《2-9 座:熱運動と大気圧》
アクリルパイプの片方にアンモニアを含ませた 脱脂綿、もう片方に塩酸の脱脂綿をおいておくと 塩酸側の近くの方で塩化アンモニウムの輪ができ ます・軽いやつほどよく動くですね!大気圧につ いては最近はヘクトパスカルを使っているようで。本校 にはトリチェリーの水銀柱があるので、本当に大気圧が 760mmHgなのか、演示しました。あ、それともち ろんエアマジックを使って、中に入れた風船が膨らむこ とも演示。大気圧を実感してくれたかな?
《2-10 実:三態変化・凝固熱》
三角フラスコの中に風船を張り付けるには、どうし たらいいのでしょう?熱湯を使うので演示にしま した。試験管の中に酢酸ナトリウムの水和物を入 れ溶解させておいて、ホットプレートの上に置い ておきます。流水で急冷し、過冷却になったとこ ろで種結晶の投入!!どんどん下がるかと思いき や、凝固熱を出すので、温度が上がり出し、結晶 の成長がきれいです。
《2-11 座:三態変化・蒸気圧》
融解・凝固・昇華・蒸発・凝縮の用語を学習し て、蒸気圧へ。導入はエアマジックを使って、80℃の お湯を沸騰させることから始めました。生徒曰く 「先生、不思議なものばっかり持ってるね・・」。 へへ。登山に行くと100度以下でお湯が沸くの で注意が必要です。その逆が電気釜。圧をかけて いるので100度でも沸かないのです。
《2-12 実:物質の分子量・沸点・蒸発熱》
レポートを書くにあたって、縦軸横軸を自分で決め るのは至難の業。たとえ評価5の生徒でもこれは 難しい。まっさらのグラフ用紙を与えて、2原子分 子の分子量と沸点が直線にのることを、1時間か けて演習しました。分子量が大=分子間力が大= 引き離すエネルギー大=沸点高いがわかったかな?こ れだけじゃつまんないので、熱した銅管をくぐら せた水蒸気でマッチの火をつける演示もやりました。 水蒸気は100℃で止まっていないのだ!まだまだ時 間があまったので、サラダボールを使ったマグデ ブルグの半球でしめる。開けれるもんなら開けて みろ!!
《2-13 座:水素結合・ボイルの法則》
なぜ水素化合物は沸点が高いのか。水素結合の 謎にせまります。その後、ボイルの法則について イントロ的に話をします。内田の気体の性質実験機具を 使って、簡単に演示。体積0.5倍で気圧2倍は 感覚としてわかってくれたようです。
《2-14 実:ボイルの法則》
プラ注射器をはかりの上にのせて押す。圧力と体 積は反比例することを学ぶ大変スタンダードな実験です。 このプラ注射器は小学校の理科のカタログを見て購入。 1個80円。安い!!はかりは家庭科教室から10 台お借りしました。
《2-15 座:絶対温度・シャルルの法則》
偉大な業績を残すと単位に名前が残るんだよ。 ケルビン・ワット・ジュール・ニュートン・・・・色々話をしました。 以前作っておいたゴミ袋の気球を教室で演示。温 度が高くなると気体の体積が増えることは実感と してわかります。
《2-16 実:シャルルの法則》
いかにして-273℃を出すかがポイント。ガラス管に定 規を張り付け、水銀で上を、ホットメルト(シリコンボンド)で 下を封入します。ビーカーに浸して温度の上昇にあわ せて、封入した空気の体積=長さをグラフに落し直 線を引いて、体積0になるところが-273℃になるか ?残念-150℃になってしまいます。なかなか水蒸気 圧は除去できないものですね。実験書を見るとさま ざまな改善方法が載っています。でもあまりにゴテ ゴテ付けてしまうと実験の本質が見えづらくなりま す。来年はもう少し改良してみようっと。
《2-17 座:理想気体の状態方程式》
0.082がなぜでるか?ボイルシャルルからpV=nRTを算出 します。計算はあんまり意味がないと思っていたの で、この0.082の算出に異常にこだわりました。式 の意味がわかってくれればいいのです。この方程式 が成り立たない急激な変化の例として圧縮発火を演 示。見事な発火の後、上のピストンがロケットのよ うに天井へ!!余った時間でドルトンの分圧の法則を やりました。
《2-18 実:ブタンの分子量測定》
ブタンガスボンベの質量を測る→メスシリンダーで200ml捕 まえる:V→バロメーターで今の大気圧を、温度計で蒸 気圧を測る:P→気温でT→減ったブタンの質量を測 る:m。以上の測定から状態方程式を使ってブタンの 分子量58を算出します。みんな60付近で落ち着きま した。余った時間で実在気体の話を少々。ファンデルワールス の話はどうだったかな?